見出し画像

ルーティーン

毎日クタクタだ。
子供相手の仕事は自分で量や感情の度合いをコントロールできないため、想定外の事が起こると疲労が一気に増す。
脳が疲弊すると気持ちの切り替えも愚鈍になり、行動にも影響が出る。
物事の優先順位が分からなくなる、家事が捗らない、小さな事で子供を叱る、感情が昂ぶって破滅的な思考になる…。
嗚呼、この負のループはいつになったら終焉を迎えるのか。出口のない迷路に迷い込んだ夢を見た時のような絶望感を覚え、いっそ消えてしまいたいと思う夜もある(一時的と分かっているが)。

そんな時でも欠かさないルーティーンがある。
それが美容である。
これ以上自分に失望しないために、そして少しでも好きな自分を維持したいから。
40代になり、ここ数年で外見、体力ともに急速な加齢を感じるようになった。今まで最低限のスキンケアしかしていなかったが、ある日鏡を良く見ると、元来の超乾燥肌に加えてシミ、クマが広がっているではないか。肌もくすんでハリがない。一体自分には何が足りなくて、どうすればよいのか途方にくれた。
プチプラコスメの効果もイマイチだし、即効性がないから気分も上がらない。

変わるきっかけは神崎恵だったと思う。
彼女の輝くような透明感のある肌に魅了されて、美容雑誌で研究し、彼女たちが推薦する化粧水や美容液を試しては、肌の変化に一喜一憂している。
美容液に23,000円。
ナイトクリームに10,000円。
アイクリームだけで20,000円もする。
確かに効果も感じられるが、美容のルーティーンを継続できているのはそれだけではない。
一日中酷使した心と体を一瞬空っぽにして、優しくマッサージしながら自分を労わる作業。
なんて贅沢なのだろう。
たとえ子供達が騒いでいても、部屋がカオスでも、その瞬間は私が私を癒す大切な時間なのだ。
丁寧に整えた肌を鏡に映して、今日もよく一日頑張った、と心で唱えるルーティーンを私は気に入っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?