理想のオフィスはアトリウム&内階段?海外カンファレンスで知った複数の事例
10月にアムステルダムで開催された Smart Workspace Design Expo では、2か所の Site Visits およびカンファレンスのセッションにて、実際に建っているオフィスとしては最新事例と呼べるであろうオフィスをいくつも知ることができました。それらを見ていて気付いたのは、どのオフィスも全フロアを貫くアトリウムが中心部にあり、そこから内階段が伸びていて、各フロアのアトリウム周りにはぐるっと回廊のような空間が存在しているということです。
事例1:DANONE PLACE AMSTERDAM
こちらの note で紹介した DANONE PLACE AMSTERDAM は、自然光がさんさんと降り注ぐアトリウムとグリーンウォール、大階段が存在感抜群のオフィスとなっています。
事例2:Nationale Goede Doelen Loterijen
こちらは DANONE と同じくカンファレンスの Site Visits で訪れた、オランダの宝くじ協会のオフィスです。 DANONE とは雰囲気がずいぶん異なりますが、やはり全フロアを貫くアトリウムと内階段、そして各フロアの回廊的空間が印象的です。
ちなみにこの建物は新規で建設されたものではなく、長いこと放置されていた建物をリノベーションして生き返らせています。建築資材やオフィス家具はリユース可能だったり中古のものをなるべく利用し、雨水を貯めてトイレやスプリンクラーに使うなどサステイナブルなオフィスを強く意識して作られており、BREEAM という認証制度で5つ星(Outstanding)の評価を得ています。
事例3:AirBnBのサンフランシスコ新オフィス
カンファレンスの目玉セッションの1つとして、AirBnB がサンフランシスコに建設した新オフィスの事例紹介があり、実際に設計に携わった方が話をしてくれました。6階建ての全フロアを貫くアトリウムと、その周辺に2つの内階段があり、また各フロアにはアトリウムに面してバルコニーが設置され、従業員同士の(偶然の)交流の場となることを期待しているそうです。また、アトリウムには最大800人座れ、バルコニーも入れれば1000人規模の全社会議などを行うことが可能とのこと。( DANONE でもアトリウム&各階のバルコニーをひとつの空間として同様に利用していると言っていました。)
(セッションのスライドより)
事例4:ザハ・ハディドのGALAXY銀河SOHO
カンファレンスでは、ザハ・ハディド・アーキテクツのセッションもありました。 Architecture - Tech とでも言えるような、テクノロジーを存分に活用した大規模オフィス設計の話が大変興味深かったのですが、その中で事例として紹介されていたのがGALAXY銀河SOHOでした。こちらは建設されてから少し時間が経っており最新事例とは呼べないかもしれませんが、ひと目でザハ・ハディドと分かる有機的な形状のアトリウムと、それをとりまく回廊が印象的な建物です。セッションの資料ではなかなか分かりやすい画像がなかったので、こちらの記事をご覧いただくと良いかと思います。
今後の潮流はどうなる?
ちょうどカンファレンスでこういった事例を見てきたのと前後して、こちらの記事を目にする機会がありました。
やはり、今のところ全フロアを貫く空間&内階段が限りなくベストアンサーに近いことは確かなようです。しかしそうなってくると、あまのじゃく気質な私は「それならもっと違う解を見つけたい!」と思ってしまい。。これからの企業とはどんな形態で何が求められるのか、それを実現するためにはどんなオフィス空間が最適解となるのか、いろいろと妄想してみたいと思っています。
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