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陰陽論

今更ながら、陰陽学説について書きたいと思います。

私は東洋医学概論(鍼灸学校で学ぶ科目の一つ)の授業の中で陰陽論が1番好きです。
(易の、混沌→太極→両儀→四象→八卦の流れも好きです。)

『素問』という書物の、「陰陽応象大論」という篇には、

「陰陽」というのは自然界の大いなる法則であり、それによって万物は存在することができる。様々なものが変化するのも陰陽の働きによってなされ、いのちの消滅や誕生、精神の存在の土台となるものである。病を治すにはこの大いなる法則から外れないようにすること。(江見の勝手な日本語訳です)

と書かれています。
陰陽の視点を学んでからの良い変化は、物事を俯瞰して見れるようになったことだと思います。
(昔は、0か100か!みたいな二分的な思考。少し認知の歪みを起こしていた自覚があります。)

陰陽の基本

陽の要素は、明るい・温かい・活発など
陰の要素は、暗い・冷たい・静かなどが代表的です。

他にも、
温かいもの(陽)は上昇するので、上る性質や、太陽が上る方角の東、などが連想できます。
冷たいもの(陰)は下に降りるので、下る性質や、太陽が沈む方角の西、などが連想できます。

注意すべきポイント

陰陽論はすべての存在をふたつに分けるので、二分的な理論に捉えられがちですが、

「すべてのものは陰と陽という対立する二つの要素から成り立っていて、相互作用で様々に変化をする」
というのが正しい捉え方です。
「陰陽で分断」するのではなくて、「陰陽でニコイチ」と捉えるということです。

また、「どの枠組みを使って陰陽の視点で捉えるか」をあらかじめ決めておく必要があります。

例えば、『温度』という枠組みを使うなら、「陽は温かい」「陰は冷たい」が正しい捉え方。この枠組みで「陽は温かい」「陰は青い」となると、『温度』という枠から外れてしまうので、正しい捉え方ができません。

陰陽の法則

そんなわけで、以下の法則があります。

① 対立

上記の「枠組み」の話と重複しますが、陰陽には必ず対立の関係があります。正反対のものとしか関係が成り立ちません。

② 依存

対立(相反)する二つの存在は、どちらか一方だけでは成立しない依存関係にあります。「上」という概念は、「下」という対立した概念がなければ存在できないということです。

③ 可分

陰陽に分けられることを「可分」といいます。「上と下」は陰陽ですが、上という空間の中にも、さらに上下を分けられます。また、上の空間を「右と左」という陰陽に分けることもできます。見る視点が変われば陰陽は変化するので、絶対的な「陰と陽」はないと考えると正しく捉えることができます。

④ 制約

この世界にも陰陽の枠組み(制限)があります。例えば、風船に空気を入れ続けると破裂してしまうように、陰陽のどちらかに大きく偏りすぎることは、この世界の消滅に繋がります。陰陽は制約し合う関係を持つことで、バランスを取ることができています。

⑤ 転化と消長

陰陽のバランスを取るために転化という働きが存在します。「陰は極まれば陽へ、陽は極まれば陰へ」と変化することです。この世界では、ボール⚾️を投げ上げる(陽)と、必ずいつか落下(陰)し始めます。このように陰陽は極まれば転化したり、制約しながらバランスを取ったりすることで性質が様々に変化します。このような揺らぎを消長といいます。
太陽は登ったら沈み、必ず次の日も登ってきます。転化や消長を繰り返していてくれるから、季節も巡ってきます。



私は、陰陽論が日常生活のすべての場面で大切な学びになっています。

いのちの分析(正しいかどうかは分からない)

↑ 現実世界と精神世界を太極図に当てはめて考えてみました。
枠組みは「いのち」でしょうか?

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