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今年もこの季節が来てしまった!!!【令和六年甲辰略暦】PART2
⇨⇨⇨前回からの続き
猛烈な風邪で意識朦朧とする中、暦を作るために机に向かった私。
ここですぐに筆を持ち始めると想像されるかもしれないが、いやいや甘いぜ! 暦の中で一番時間がかかり大変なのは「構図」、そして「割付」である。つまりは「何をどこにどう書くか?」という設計図のようなものである。
オーソドックスなカレンダーであれば「何を記載するか」がほぼ決まっているため、そこまで大変な思いをすることはない。月日、曜日、祝日などを書き込んで終わりだ。しかし略暦になるとそうはいかない。「なにを書くか」から決めなくてはいけない。ノストラダムスもびっくりのドヤ顔で来年の出来事を提言しなくてはいけないのだ。一国の王の所業である。
しかもそれらを紙内に綺麗に配置させなければならない。これはナンプレより難しい。はじめて書き始めたときは配置にとんでもない時間を要したものである。しかし今年はもう4年目。もう略暦のプロになりつつある。配置方法のコツを私は掴んでいた。
まず、大きくて必ず書くものから決めていこう。
今までは年や皇紀を中央近くに配置していた。同じことを繰り返すのは愚の骨頂と思っているので、まずは両脇に配置していきたい。
さらに、シンメトリーの中にアシンメトリーを取り込んでいきたい。
ここで突然書道の話になるが、書道の中で楷書を書くときは基本的に「字が左を向くと美しい」とされている。これはどういうことかというと、人間でもそうであるが、真正面よりも斜めから写真を撮ったほうが盛り顔になった経験はないだろうか。全身を撮るにしてもちょっと体を斜めに向けた方がスタイル良く撮ることができる。これが字も同じなのである。
ではどうやって字を左に向かせるのかと言うと、縦画の中で右にあるものを全体の線よりも太く書くのだ。これを一定に書くと字はみんなスーパーのパックに並べられた刺し身のように左を向いて整列してくれる。
これを暦そのものに取り込みたい。具体的に言うと、右のものだけやや太くしたい。大げさにならないように、自然な範囲で。
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早くも反省を述べてしまうのだが、左右の柱部分の右を太くしたのだが、結果的に中央の柱との間部分の方が視覚に与える影響が強く、右柱を太くするよりも中央部を左に寄せることで右側に太さを作ればよかったと思う。くっ……策士策に溺れる……。
配置を考えている下書き段階ではそのことが気付けなかったため、そのまま他の部分の構図に入ってしまった。
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「日曜表」「24節季」「祝日表」は必ずいれるものなので、ナンプレの要領でいれていく。
ここからが私の王様タイムである。王になったつもりで、暦を使うみんなに「来年はこれを見ろ!」と思うものを書き込んでいくのだ。
まずは来年にあるのが4年に一回の祭典。パリオリンピック・パラリンピック。
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そして4年に一回と言えば忘れてはいけないのが、令和六年は閏年!
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さらに去年の反省をいかしていきたいと思う。
2024年は日本から見える月蝕・日蝕だけを記載したい!
……と思ったら、なんと! ないではないか!
なんかないのか!? 誰か星とか惑星とか食べる予定はないのか!? と思って探してみたらけっこうみんな食べる予定みたいだったので、肉眼では絶対に見えないけど記載していくことにしよう!
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そして超個人的にではあるが、私は「縁起が良い」ということが好きである。縁起が良い日や縁起が良い方角など、それを心に留めて過ごしたことはただの一度もないのであるが、調べることが大好きである。それをみんなにもぐいぐい押し付けていきたい。だって王様だからね!
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ここでみなさん、私と同じように令和六年が大好きになってほしい。なんと、令和六年は1月1日に天赦日と一粒万倍日が被っている! なんてこったい! 最高ではないか! 私はこの日を知っただけでまだ出会ってもいない令和六年が早くも大好きになってしまった。
そして「縁起」といえばもう一つ忘れてはいけないのが方角。
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恵方は十干によって決まるのだが、方角には古くから干支が用いられているため、2024年の恵方は卯のやや寅寄りとなる。
ここで超気をつけていただきたいのだが、2024年は恵方のすぐそばの卯の方角に「暗剣殺」がある。「暗剣殺」とは最凶の方角で、災難に合う方向と言われている。みんな絶対に恵方巻きを食べる方向を間違えないでほしい。ちなみにその反対にある酉の方角「五黃殺」は自滅の方位なのでこれも注意してほしい。そして「五黃殺」の近く、戌の方角の「歳破」は旅行や移動先を控えたほうが良い方角で、真反対にある辰の方角にある「太歳」が吉となる。みんな来年は西より東を目指そうね!
そんなこんな、方角で楽しんでいる間に完成だ!
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いやはやもっといろいろ書きたかったんだけど、もう内容の話をするとただの口うるさいウンチク王様になっちゃいそうで。。。
これで安心して来年を迎えられる、あとは食って寝てを繰り返そうと思っていたら、年賀状というラスボスがいたことを忘れていた。
日本文化とはなんとも鬱陶しく面倒くさく、でもやり始めたら楽しいものであることを実感する年末である。
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