親の言い分
こじれた親子関係、毒親と言う子も、親も深く傷ついている。
子どもは、今までの時間を返して欲しいと叶わないと知っていても苦悩する。親は確かにいろいろあったけど、そこまで言われるとは思わなかった、食べさせて元気に学校に行かせることでどれだけ大変だったか。私も親に何か不満を言うと衣食住揃っているのだから、贅沢は言ってはいけないと云われて育ったから、子どもに不自由はさせないと頑張ってきた
親にも言い分があるという。
どちらも辛い。どこで捻じれてしまったのかと苦悩する。
子どもには理想の人生を歩ませたいと子育てをする。その時のロールモデルは母親だ。育てられた体験をなぞって育てる。
また、その親もまた自分の育った体験のメージで無意識に育てる。いわゆる世代連鎖だ。
環境、伝統や文化すべて、まるまるひっくるめた中で私たちは奮闘して生きている。
最小の関係が父と子、母と子の親子である。
しかし今まで母親だけで子どもを育てていたわけではない。緩やかな共同体の中で、多くの人の中で育っていった。核家族化が進んで子育ては、母親一人に任されてしまったのだ。
先日、ある場所で私の子育て体験を発表する機会があった。息子が不登校になったいきさつや、家族の奮闘を語り、わずか半年で学校へ行くようになったいきさつ、友達や、担任の先生の温かい対応をとうとうと述べた。
発表した後ふと、常に側には娘がいたことを思い出した。
息子のことだけに注目していた!、会場にいた娘はどんな思いで聴いていたのか?、娘は私まで親に心配かけてはいけないと踏ん張っていたのではないか?母親の話を聞いてどんな思いをしていたのか!と、
いてもたってもいられなくなった。
今更ながら娘に申し訳ないという思いで胸がつまり苦しくなった。
その場では娘には会えなかったため早速、メールした。
「今まで協力してくれてありがとう、いつも側にいたあなたのことに触れなくて・・」と。
娘からの返信は
「私は手がかからない子だったね、いい発表だったよ」
と淡々とした内容で、よけいに胸が詰まった。
親の言い分は全くなかった。
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