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求めているもの、目指しているものの違い

先日、金沢に聖地巡礼してきたついでに東京にも半日滞在してきて池袋のサンシャイン水族館や原宿にもよってきました。

今回はグッズと無料展示だけ回収
原宿ゲーマーズのマルガレーテ誕の祭壇

しかし、金沢と原宿を巡って改めて思うのは、「一般的なラブライブ!のファンが求めてるものと、スーパースターはなにかズレが生じていた」のではないかと思うのです。東京の流行の中心地よりも、沼津や金沢のような地下鉄もないような地方都市の方が彼らにとっては落ち着くのだろうし、声優の売り出し方も蓮はどうなるか分からないのですが、おそらく虹ヶ咲のほうが彼らの望みにかなっているように思えるのです。

声優のという商売の特殊性とコモディティ性

声優のファンダムというのは「アフレコの数こなしてナンボの裏方の職人」という印象が極めて根強い感じがあります。そしてそれに加えて「ステータス」となる仕事をいくつ演じたかが非常に重要になってきます。
例えば…。

  • アイドルIP

  • なろう系

  • ソロデビュー

  • 少年誌のヒロイン

  • プリキュア

  • ゴールデンタイムのナレーター

  • ヒット映画の吹き替え....etc.

とこのようなお仕事をしていけば、まるでカードを揃えたかのごとくキャリアが上がって行って、上がりは国民的キャラクターみたいな風潮がファンダムの間にあります。ちなみに今一番「カードが揃ってきた」のは種﨑敦美あたりでしょうか。

さて、私は現場の人間ではないのですが、声優というのは建築家のようにコンペ(オーディション)に勝たないと仕事は取れないし、それも普通は3ヶ月で失業する世界なので、ベテランでも100回うけて1度受かるかどうかというのはザラな話とも言われていますので、数をこなすというのはそれだけ、現場の信頼や技術がないと不可能ですし、アフレコの単価は業界のルールとして安いという実態があります。

いくら安いといっても薄利多売をすれば当然収入は上がるので、ファンダムの「アフレコをいっぱいこなして、誰もが知っている役を掴むのが声優として偉い」という風潮は、現場の実感としてもあながち外れていないのではないかもしれません。

ちなみに、芸能人なら地方発のアイドルやローカルタレントは割りといらっしゃいますが、日本のテレビアニメというものはほぼすべて東京都内でアフレコされており、いわば声優業は江戸切子のような「東京の地場産業」とも化していますが、東京はすべての物価が高いので「食える」ハードルは更に上がります。

話を戻しますが、この「アフレコ仕事の数を稼ぐこと」「実績カード集め」の2つは声優という職業の(少なくともファンから捉えた)特殊性と言えるし、声優は単に「声の役者」というだけではなく「アフレコ仕事と実績カード集め」に参加していることが「声優としての必要要件」とも言えるのかもしれません。

そして話の本題なのですが、ラブライブにメインキャラとして出演する声優陣は虹ヶ咲のキャストを除いて「アフレコ仕事と実績カード集め」というものに距離を置く人が大変に多いですが、それこそが声優の本文とか考えている方が大変に多い。

「アフレコ仕事」というのは言うなれば薄利多売のビジネスで、おまけに「アフレコ仕事」をしたがる声優志願者は非常に多く、非常に競争も激しいというまさにコモディティな商売だし、声優事務所や声優学校もそういう人間以外の人材を育てるノウハウもないこともほとんどです。

もともとアミューズやホリプロの声優さんというのはそういうのから距離置かれている方が多数いらっしゃるし、響は自分の親会社(ブシロード)が開発したコンテンツに出演することが仕事の中心と言っても良い人もいらっしゃる。

よく言わる「AqoursやLiella! の活動が多忙だからアフレコが出来ない」という以上にタレントの売り出し方、すなわちビジネスモデルからして、アフレコの仕事のオーディションを受けることは否定しないでも、積極的にアフレコ仕事をさせる気もないんじゃないかと思うのです。

まあ、声優ファンは「アフレコ仕事」しか知らないから、自分の推しに血みどろのレッドオーシャンの世界に飛び込んでほしいとか残酷なことをおっしゃられるのでしょうが、声優ファンの評価はとにかく「安い」し、外に出ようとすると「通用しない」だの「踏み台にされた」だの言われて、外の世界を過大評価しているのか、自分たちの世界を過小評価しているのか知らないけど、とにかく排他的に動きがちです。

そもそもミスコン出身者とか声優界以外じゃ何の武器にもならないし、とってもステータスになったり、スナックバス江にある「その界隈だと持ち上げられているけど、『その界隈が狭すぎる』」というアレを地で行っているのです。

レッドオーシャンの競争に飛び込んで、声優ファンの安い評価をもらって、その地位にぬくぬく安息するなんてことは、タレントを高く売りたい事務所や、自分を高く売りたいタレント本人にしたら絶対にやってはいけないことなのです。

蓮ノ空とヨハネ

蓮ノ空にしても、どんどん新メンバーが入る外堀が埋まっている感じなのですが、どうも拒絶反応が強いのです。

メンバーを増えるのを止めさせろというなら「進級」か「部活」をなくすか、(つまりサザエさん時空にするなり、部活という要素をなくす)それか、もう廃校が決まってる学校にしない限り、メンバーが毎年があるのはもはやこのコンテンツの宿命と言っても良いのです。

そのあたり妙に保守的だとは思うのですが、考えてみたらG'sの読参時代やスクフェスはサザエさん時空だし、Aqoursまでは卒業以降は描かないし、おそらく大人の都合もあって描けない。だからヨハネという、20年前に同じサンライズの舞シリーズが採用したスターシステム方式の続編を描くこととなったのです。

ヨハネの狙いについて一つありそうだなと思うことがあって、これを指摘する人はあまり居ないのですが、シリーズの根幹とも言えるキャストとキャラの密な結合を緩やかに解体する試みがあるのではないかと思うのです。

このような外伝がヒットしてしまえば「スクールアイドルの物語の続き」を無理に描く必要性はないとも言えるわけです。

実際、アニメの展開はもう劇場版でAqoursのキャラクター展開の行き詰まりを迎えていたというのはコンセンサスを取れていたはずで、「これがうまく行けばシリーズの新たな展望が開ける」という声は多かったですしね。

スクフェス亡き後のコンテンツ戦略

もうすでに何度かnoteでも書いておりますが、スクフェス2がサービス終了をすることとなり、スクフェスシリーズ自体も打ち切りということになりそうです。

それについて木谷社長が遅まきながら謝罪を言っているのですが、正直貢献ってヴァイシュシュバルツ独占権で囲い込ませるのが貢献なのかと思ったし、正直ここでは書けないような気持ちも一瞬沸きました。

しかし、アニメキャラを動かすというのはリアルのアイドルよりも遥かに手間も費用もかかる行為で、製作委員会方式による協業体制じゃないと活動費用を賄えないのです。

「ラブライブ!はより小回りの効くコンテンツになるべきで、そのために船頭を減らしていくべき。船頭になるべきなのは失敗したら後がなくなるようなところに任せるべき。それは、バンナムミュージックライブであって、リアルアイドル路線の強化だ」的なことも、以前も書かせていただきました。

実は前述のサンシャイン水族館でも幼稚園ほどの子供がパネルの写真来ていましたが、小学生の頃からスクフェスをプレイしていてという人が今のキャストの主流なわけで、スクフェスの神通力が5年あるいはそれ以上前からなくなったからこそ、NHKで新作を放送するという人によっては暴挙とも言われかねない施策を打つ出したわけです。

ただ、アニメだけで勝負すると言うなら競合策はいっぱいあります。そのなかで、どう目立たせるか。それはリアル強化をして、別にプリキュアの仕事をとれと言うつもりはないのですが、タイアップを取るなどして「もっと子供の目につくところに来る」しか無いような気もするのです。

ヨハネは「シリーズの根幹とも言えるキャストとキャラの密な結合を緩やかに解体する試み」を書きましたがシリーズの路線として、そのような外伝が今後定着すれば、自ずとリアル路線の強化されるわけですがどうなのでしょうか。

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