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学園アイドルマスター雑感

まず思ったことは、ヒットしたアイドルとかライブ系のコンテンツの要素を組み合わせたパッチワーク感が強いということ。アイマスと学園というのは新しい挑戦である(とスタッフは思ってる)はずなのに新鮮味が全くない。かなり保守的で「置きに行った」感じは否めない。

この画像を見ると学園経営に、芸能プロダクションってのがあるので、おそらくモチーフとしてはあんスタのアイドル育成学校+宝塚音楽学校なんだろうけど、宝塚が火の車になっているご時世に音校がモチーフにするって「持っていないなあ」とどうしても思ってしまう。さすがにバスとか電車に先輩が乗ってる「かもしれない」のでお辞儀をする風習はないとは思うけど。

キャスティングも事務所に所属してキャリアはそれなりに重ねているし、一般は無名けど、若い声優さんを青田買いして追いかけたいみたいな人は知っているみたいな人を揃えた感じ。

ただ、既存のファンからみたら、いい感じでこなれているというのは強みかもしれない。また、本作は、わざと下手な演技をしてもらって徐々にうまくなる演出をやるみたいなことを言ってた気がしたけど、おそらくそれが本作の目玉演出っぽい(ってすごいとは思うけど、何回かやったら飽きるだろとも思うけど)ので、ド新人には無理という事情もあるだろう。

例えば、当時中学生でひと月後に堀越高校進学を予定していた進藤あまねが、そもそもプロの歌手だったRaychellと比較されて歌唱力がバチクソに叩かれていて、今でも誹謗中傷されてるわけですから、正直お客って、キャストに初々しさ、言い換えれば未熟さなんてお客さんを求めているのはスタッフが思ってる以上にニーズが少ないと思う。

あの当時のバンドリの運営は「あまねす(進藤)が演じてる倉田ましろととも成長する姿を見てほしい」という意図はあったはずだけど、モニカ自体一番人気無いし、キャストが成長する要素なんて求めて無いんじゃないかな…。

2021年にオーディションをしてるといって、配信中に約2年前にしたという言もあるので、蓮ノ空と同じくらいの待機期間はあると思うし、キャストもキャラクターも背の順は信号機の青>黄色>赤になってて、当てて書いてるとしたら、それくらい待機時間はあってもおかしくない。

もし一般公募なんかしたら、2年もデビューさせないなんて多分ありえないし、練りが甘いのを承知で出すよりも、ウマ娘や蓮ノ空がそうだったように数年間ずっと仕込みに時間をかけて練ってきて、一気に出す方がお客さんの受けがよい。

となれば、今の坂倉花とかみたいにアニメなりゲームなりのプロジェクトが動いて(いるように見え)ないのに、バンバン顔出しするみたいな施策を取らざるを得ないのではないかな。

そういう事を考えたら、「数年練り込みに時間をかけました」「その間、キャストを待たせるので、ある程度キャリアのある人を揃えます」ってのは、既存のファンに向けた新作としたらこの理想的だと思うし、個人的に「既存ファン向けの新作を作るならこうした方がいい」と思案したことがあって、そのときの結論にかなり近いものが出てきたけど、実際に出されたら「ちょっと手堅すぎるな」という印象が強い。

もちろん、学園と言うんだから若い層の新規取り込みを狙っているんだろうけど、学園って新しいようで、もうすでに手垢が付きまくっているし、プロのアイドルというのはアイマスのアイデンティティを捨ててしまいかねない施策はどうなのかと思う。

もっとも、新規と言ってももうアイドルコンテンツが好きな人は飽和状態なんでよそから取り込むしか無いわけで、新規を狙うにしても、例えばKが好きな層と、国産アイドルが好きな層では全然別の層ではあるけど、既存ファンやコンテンツとの融和とか考えたら後者一択だとは思うけど、多分これではどっちも取り込みは無理な気はする。

また、ソロにしたのは技術的な都合であるとのことであるが、これは、演者のではなく、高ポリゴンをつかっている携帯の負担になるから抑えたいという判断だそうだが、その他に切れ目なく楽曲を展開したいという事情もあって、それが故にコンポーザーを売りにしたり、電音部のアソビノオトレーベル所属にしたのだと思う。

ユニット制はどうしてもキャラが多くなるし、学マスのメンバーを一つのアイドルグループとして見立てたら9人ってのは、多すぎず少なすぎずまあ適正な数ではある。シャニマスが出てきた時に、「合わない人同士で組むことになったらどうするんだ」と突っ込まれて、実際「あの整形女」と出演者中傷する人いたし、前述の「下手さの演出」や、チームワークダンスはニーズは高いけど金にならないという点を考えたら、ソロに回帰するのは分からなくはない。

ただ、なぜ「ソロにしたのか」って話で、美辞麗句で着飾った建前を言わずに、のっけから「技術的な問題がある」って言うのは「どうなのよ?」と思ってしまった。いくら「プロデューサー」といってもお客様であって、サンリオピューロランドがキャラクターに「戦力外通告」をしたのを「お出かけ」って表現を使ったように、「夢の国」の裏側は見せるべきではないと思う。

さらに言えば、ゲームシステムも「ウマ娘パクっちゃおう」となってもおかしくない感じの時期から開発が始まってる感じであるが、そのウマ娘だってスタートから3年経って「すごい」から勤続疲労が出てきて不満も大きく溜まってきている時期である。

リンクラのカードゲーム部分だって色々批判は大きいけど、配信やストーリーのほうがメイン(そもそもUIだってスクコネ→活動記録→スクスタの順番)なわけだけど、こっちはゲームを楽しく快適に遊べないとコンテンツが死ぬ。

開発元はアイプラのQualiArtsなので、グラフィックは良いけどゲーム部分はそんなにいいわけじゃないし、アイプラ自体そこまで大ヒットって感じではない。とにかく不安ばかりが先行してしまうが、蓋を開けたらとんでもないものになって欲しいとは思う。

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