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ヒーロー。バンドマン。

私のヒーローはバンドマン。

バンドマンに出会ったのは高校時代。

私は暗くも無く、決して明るくも無く、誰かに嫌われるわけでも無く、好かれるわけでもない、普通の地味な人間だった。

周りで騒ぐ、いわゆる"陽キャ"のことを少し鬱陶しく思いつつ、ひそかに憧れるような生活をしていた。

今思うと、普通な自分に飽きていたのかもしれない。

誰かに、助けて欲しいと思っていたのかも知れない。

こんな自分が嫌だけど、認めて欲しかったのかもしれない。

そんな自分がバンドマンに出会った。

ライブハウスに出会った。

そこはあの有名な夢の国よりも、
私にとっては夢の国。

バンドマン=ヒーロー

ヒーローってなんだろう。

小さい頃に憧れるヒーローは、
悪者を倒し、みんなを守る、強い存在。

でもバンドマンは、悪者を倒すわけではないし、誰かを守っているわけでもない。強いとも限らない。

私が憧れるヒーローは、
自分の弱さも、誰かの弱さも認めてくれる。
一緒に手を取って走ってくれる。
涙を流せば、大丈夫だと寄り添い、
孤独の時は、ふたりでいてくれる。

音楽と声と言葉を駆使するヒーロー。

いつだってそこにあって、時々小さな箱で会えて、丸い円盤に全てが詰まってる。

明るくても暗くても、辛くてもどこにいても、

助けてくれる存在なんて、私は出会ったことはなかった。

私のヒーローは、
いつだって助けてくれる。

バンドマン。

私のヒーロー。


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