ふりかけ法のための精子凍結

【ご質問原文】

体外受精での精子凍結の活用について、ぶらす室長様のお考えを教えていただきたいです。 

現在、胚盤胞のみ移植する方針のクリニックに通っていますが、2回の採卵どちらも胚盤胞にならずでした。 

精子所見が悪く、ふりかけは難しいとの判断で全て顕微受精です。 2回とも、成熟卵は全て正常受精するのですが、分割が進みません。 
主治医からは、顕微が合わない・もしくはDNA損傷の割合が高いのかもしれないから、次回は精子の数値が悪くても半分はふりかけにしようと言われています。 

私もそれは試してみたいのですが、精子の前進運動率が低いことが不安ではあります。 

素人考えですが、 複数回分の精子を凍結し、当日のフレッシュな精子と合わせて絶対数を増やしてふりかけをすれば可能性があがらないかなと思うのですが、 どう思われますか?

【回答】

ご質問ありがとうございます。

複数回分の精液を用いて良好な運動精子の絶対数を増やせば、ふりかけ法による受精をある程度期待できると思います。

調整後の運動率が低くとも、運動精子濃度を計算してふりかけ法で媒精する事は可能ですが、不動精子が多く混入することによって酸化ストレスなどの影響が懸念されます。

また、精子凍結を行うと精液所見は著しく低下します。
凍結前の所見よりも必ず悪くなると考えておいて良いでしょう。
新鮮ならふりかけ法が問題なくできる所見が、顕微授精になってしまう事があるくらいです。

個人的なおすすめは、当日に2回〜3回採精して頂き、それを混合して調整し、運動精子濃度を底上げして媒精する方が「ふりかけ法ができる」可能性としては高くなると思います。

ただ、受精するかどうかは結局やってみなければわからないため、ここまでやっても1つも受精しない可能性もある事は承知しておいて下さい。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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