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AHAと高濃度ヒアルロン酸含有培養液の効果

【ご質問原文】

移植の際にAHAと着床補助 (ヒアルロン酸) を追加オプションでする予定なのですが、 この2つをする事によって着床率は変わってきますか? 

有効性の情報もAHAは出てくるのですが、ヒアルロン酸の方はあまり検証結果を載せている病院がありません。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

アジステッドハッチング(AHA)および、移植前の高濃度ヒアルロン酸含有培養液の浸漬についての有効性は、どちらもコクランレビューで妊娠率や生児獲得率が向上することが示唆されています。

しかし、どちらもエビデンスレベルは充分とは言えず、確定的ではないと結論づけられています。

コクランレビューというのは、複数の論文をまとめて「その治療法にエビデンスがあるか」を評価したものです。

日本の生殖補助医療ガイドラインは、このコクランレビューを基に作られているはずだと思います。

実際、過去の国内の学会発表などでは、AHAもヒアルロン酸も効果に議論があり、ポジティブデータもネカディブデータも同じくらい出ていた状態でした。

そのうち「まぁ悪くならないならやっておくか」というレベルまで普及し、全例にAHAやヒアルロン酸含有培養液を使用するクリニックが多くなった事で、保険適用となったという流れではないかと思っています。

原理としては2つともよくわかるんですが、必須なものではなくある程度は体内でリカバリーされる事だと思います。
効果がある症例もあるとは思いますが、ほとんどの人はあまり効果がないのではないかと思っています。

そのため、お金が勿体無いと思うならやらなくても良いと思います。

個人的には、やらなくて妊娠しなかったら悔しいので、どちらもやりたいと思ってしまいますね。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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