見出し画像

GeoGebraと3Dプリンター

※noteにはGeoGebraのサイトのリンクを貼ることができません。お手数ですが,試してみる方はご自身で検索してサイトへアクセスするようにしてください。

1.GeoGebraの3D機能

 グラフ描画アプリは数多くの種類がありますが,GeoGebraの良いところはインストールをしなくても使えるところ,OSを選ばないところ,多くの機能を有しているところなどが挙げられるでしょう。

2.3Dデータの準備

 まずは印刷したい3DデータをGeoGebraで作成します。GeoGebraの空間図形(英語では3D Graphing)から空間図形の作成モードを開きます。このモードではメインメニュー横のボタンから「数式」もしくは「ツール」から任意のモデルを作成することができます。

空間図形の操作画面

 印刷したいモデルが完成したらデータをダウンロードします。ただし,ダウンロード前に注意点があります。右上の歯車ボタンの設定から,軸と平面の表示をオフにしてください。これをオフにしないと平面と軸のみを印刷してしまうことになります。
 準備ができたらメインメニューの「・・・形式でダウンロード」から「3次元印刷ファイル(.stl)」を選択します。そうすると画像のような既存設定でデータをダウンロードすることができます。

3Dデータの保存方法
3Dデータの既存設定

3.3Dデータの印刷

 印刷する3Dデータが準備できました。GeoGebraで作成した3Dデータを印刷するために必要なものは下に記載した2つです。

スライサーソフト
3Dプリンター

 まずはスライサーソフトを使って,印刷方法を指示するデータに変換します。私は以前の記事でも紹介したようにUltimate Curaを使用しています。ファイルを読み込ませたら印刷設定を確認してスライスボタンを押します。

スライサーソフトでの編集

  印刷するためのファイル(.gcoad)を保存して,3Dプリンターにセットしたら,後は印刷されるまで待っていましょう。3Dプリンターがせっせと頑張ってくれます。

4.まとめ

 このGeoGebraで作成した3Dデータの印刷は立体図形だけでなく,関数を印刷することもできます。タイトル画像にも使用したように,メビウスの帯も印刷することができました。メビウスの帯の数式は下の通りですね。

3次元空間において媒介変数$${r}$$,$${t}$$(ただし$${-1\leqq r\leqq1}$$,$${0\leqq t\leqq\pi}$$)を用いて表す。

$$
x=\left( r \cos{t} +2 \right) \cos{2t}\\
y=\left( r \cos{t} +2 \right) \sin{2t}\\
z=r\sin{t}
$$

 今回は,GeoGebraで作成した3Dデータを印刷する流れが思っていた以上に簡単でしたので記事にまとめました。3Dプリンターをお持ちの方はぜひ試してみてください!数式に裏付けられた美しい立体を手元に持つことができます。

サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは「創って学ぶ数学」の教材費として使わせていただきます。