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ムクドリの日々、手紙を書くような

昨日は久しぶりにまかちく(macaroomと知久寿焼)のリハだった。
むしむし暑くて裸足になる。
リハのあるスタジオの休憩所は風が吹き抜けるので足を放り投げるととても気持ちいいのだ。
まかちくでなにやら動いていますが、詳細はまた後日に。

ここ1、2ヶ月はほとんど人に会っていなくて、ほとんど家にいる。
メンバーと会ったのも2ヶ月ぶりくらい。
晴れて気持ちの良い日、真夜中に降り出した雨の日、気圧で頭痛がする日、私はこのような状況でおりますが、そちらはいかがですか、元気でお過ごしでしょうかという気持ちになる。
それはいろんな人の顔が浮かんでいる時もあれば、誰でもないような時もある。会ったこともない人、ずっと昔に会ってそれきりの人も。
空想のお手紙。祈りのようでもある。

向かいの空き家の戸袋にムクドリが巣をこさえた。
1ヶ月くらい観察してたけど、ついに先日巣立って出て行った。
私が自宅で作業している真横の窓から様子が見られ、いろんな場面を目撃させてもらった。
警戒しながら餌を加えて交代で巣に戻る親鳥の姿、巣から飛び立つ時、ギェー!ってモンスターみたいに鳴いて飛び立つところ。日に日に大きくなる子どもたちの鳴き声、カラス襲撃、親鳥が撃退するまでの一連。
ある晴れた日に家族全員が巣から出てきて、巣立ちの瞬間まで目撃できた。
なかなか出てこないこどもに、夫婦が出てこいと話しかけ、近場でちょっと飛行練習しているとこもこっそりみた。
巣があることに気づいたのは、外から聞こえてくる鳥の声がやけにやかましいな?と思って外を見ていたら、空き家の隙間に入っていくムクドリの姿を発見したことから。
わ、巣がある!と気づいてから、なんとなし近所に飛び交う鳥たちの鳴き声や姿を観察するようになった。なるほど、すずめたちはここまでの電線、ムクドリはここの電線にしかほとんど止まらないのかとか、近くの公園の草むらにたくさんのムクドリが歩いてたけど、なるほどここが餌場なのかとか。うちの前にはカラスはほとんどこないけど、たまに1羽変わり者のカラスがやってくる時があるなとか。ツバメの飛び方。すずめの急降下。各々の鳴き声の使い分けがあること。夜はぴたっと静かになること。
鳥たちの地図、鳥たちの時間。
そうやってみていくと、目の前の景色が少し広がったように感じられた。
作業中に聞こえてくる鳴き声に耳を澄まして、鳥たちの間で何が行われているのか考えるようになった。
これまで野鳥のことをほとんど意識して生活したことがなかった。
知らなかった世界が開けた気がして興奮する。
巣立ったムクドリたちは巣へはもう帰ってこず、ちょっぴり寂しく感じたけど、なんと数日前からまた別のムクドリが空いた巣を見つけ、出入りしてた。そしてやっぱりそうだった、巣にムクドリが入っていくと、また小さな鳴き声が聞こえるようになってた!
同じ季節に2回目があるんだね。良物件なのか。また観察が始まる。

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実ははじめて執筆のご依頼をいただき、サテツマガジンvol.3に短い文章を寄せました。東京の街に住む人々がテーマ。考えてること、思い出、空想、今など生活の徒然がこっそり覗ける1冊。

執筆されたみなさんの日々、暮らしのことをぼんやり思い浮かべながら読みました。お手紙をもらったような、お手紙を送ったような気持ち。

編集長増田さんのnoteに今回の企画のお話、購入できる本屋さん、通販について、持ち運び方法などの詳細が書かれています。
どうぞ購入してお読みいただけたら嬉しいです。 こちらより

昔パン屋さんでバイトしてた時、何かの裏紙にイラストと短いコラムを書いては毎月勝手にバックヤードの壁に貼っていたことがあった。
絵も文章も全く自信はなかったけど、そういったことがやってみたくなり。
そうしたらパートの主婦の方が毎月読んでくれてたようで、今月のは?と声をかけてくれた。
受け取った人がいたことが嬉しくて、その時のことを思い出す。
お手紙どうぞ受け取ってください。

エマル


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