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母の偉大さ

重いお話となります。


お客様は私の母。とうとうこの時がきた…ずっとずっと避けていた母のこと。父はもう亡くなってるが、母はずっと父にいじめられていた…言葉の暴力‥ときには暴力も。フライパンで母の頭を‥頭から噴き出てきるたくさんの血液

私はその場にいなかったが次の日私は衝撃を受けた。父は酔っていて覚えていないとか、、さすがに次の日焦った父は母を病院に連れていき頭を何針も縫う大怪我…それでも母は家を出ていかない。何故?ほぼ毎日聞こえてくる母を貶す声。バカヤロウって言葉が聞こえてくる。怖くて怖くて小さな頃から毎日不安な日を過ごす。夜中にトイレに行きたくても怖くて行けなかった


一度だけ母は家出をしたことがある。本気で家を出ていったのだ。父は自分がやってきたことに反省をし私にどこにいるか聞いてきた。父は母がいなくなり寂しさを抱えていたのはすぐにわかった。そして何ヶ月か私と父だけの生活になる。私も母には帰ってきてほしかったので母になんやかんや理由をつけて伝えてきた。そして母は帰ってきた。だけど父との関係は少しは良くなったもののあまり変化はなかった。父は本当に無価値感の強い人だった。人を貶し怒鳴り時には近所の人の家へ包丁を持って脅しにいっていた。仕事では真面目でお客様に対してはきっといろいろ尽くしていた人だと思う。だけどその裏の顔は凄いものであった。

だがその後何年かすると父は癌になりあっという間に亡くなった。その瞬間なぜか安心できた。これで父が事件が起こなさなくて済む。悲しいけど早く死んでほしいってずっと思っていた。

葬儀の日は涙が溢れてでて止まらなかった。涙が次々と溢れでて自分でも信じられかったことを覚えてる。


ずっと我慢していた母、弱かった母が嫌いだった。こんなひどい状況なのに母は離婚はしなかった。なぜなのだろう。


そして今日その母と久しぶりの再会。「私に近寄らないで」って伝えたのが3年前。月日が経ち久しぶりに再会。母は私のエステを受けたいって私に連絡してきた。そして母のお肌に触れながらいろんな話をした。最初はお互いに気をつかい緊張しながら話はじめる。だか話を進めるにつれそこで感じたのは「この人は弱くなんかないむしろ強い女性」だ。私は勘違いしていたみたいなのだ。弱くてかわいそうな母ってずっとずっと思っていた。本当は芯の通った強い女性だったのである。めちゃくちゃ強い女性…

その瞬間に私の中の何かがスッーと抜けていった。母は母で幸せに暮らせていることに気づいた。私が勝手に弱くて不幸な女性にしてしまっていた。実際はそんなことはなく78歳になっても現役美容師で働き今でも母のファン(お客様)に見守られながら強く生きている女性であった。そしてはじめて私は母を尊敬できた。


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