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【大好きなエッセイ集について】


唐突ですが大好きな本について書きます。

なぜかというと部屋の整理の際、久しぶりに触った大好きな本を読んでみたらめちゃくちゃにテンションが上がったからです。(そうです、なかなか部屋が片付かないやつです)

初めて読んだ時から面白すぎて、定期的に読み返しては「うあああああ面白えええイギリス絶対行くうううう」と何回もなってるんですが、私の最も大事な本のひとつと言っても過言ではないのがこちら。

イギリスはおいしいというこちらの本。
筆者の林望さん(リンボウ先生の愛称で呼ばれていらっしゃいます)が昔滞在していたイギリスで体験した食エッセイ集です。

なにがそんなに素晴らしいかというと、まずこちらのタイトル。
どちらかというと飯マズ界でのネームバリューのあるイギリスさんですが、おいしいとな・・?まじですか・・?と普段そんなに本を読まない私が流れるように買ってしまったこのタイトルの引力。そして読み進めていくうちになんとなく持っていたイギリス人への食と人柄へのイメージが全肯定されていく快感さ。

「あーはいはい、わかる、イギリスって、そういうとこ、ありますよね!!」
ってにわかもにわかなのに全力で同意してしまうんですよ。もうそれが最高に快感。見たいイギリス像を見せてくれる。こういうイギリスを見たかったのよ!!

ちなみに私は祖母の手術の際に付き添いで病院に数日泊まり込んだ時もこれらの本を持って行ってまして、術後の祖母の錯乱やら夜の病室の怖さやらで結構大変ではあったんですが、そんな時ですら

この本に載っているイギリス人のクリスマスプディングのレシピがぶっ飛びすぎていて大喜びで夜中に読んでいます。
見てくださいこの、業者からの搬入リストですか?と言わんばかりの暴力的な各材料の量を。これを混ぜて12時間冷蔵庫で寝かし、6時間茹でる。そしてクリスマスまで1年寝かす。最高ですね!!!!!!

すごいのはそのイギリス人てやっぱりこんな人達なんだというのを、リンボウ先生は200%魅力として伝えていること。彼が出会った周りの人たちが特に愛に溢れた人たちだった、というのも大いにあるとは思うのですが、もう本当に愛おしくてたまらないんですよ。大雑把なところも、不器用なところも、真面目なところも、ちょっと皮肉なところも、全てが本当に魅力的。

そして料理についてはこちらも期待通りに大半の方が「日々の料理にあまり興味がない」故に「繊細な味にはなりにくい」というのが原因のようなのですが、一方で「食材自体の味は大変良い」ことと、「お茶の時間への熱量はすごい」ということ。
私はこの本でスコン(この本ではスコーンではなくこう発音すると書かれているので)とクロテッドクリーム、ジャムとミルクティーを一緒に飲むクリームティーという文化を知ったのですが、リンボウ先生は食への情熱がものすごい方なので、それがいかに素晴らしいものであるかがめちゃくちゃ伝わってくるんですよね。

あと、忘れてはいけないのが巻末に先生お薦めのイギリスの原始的なスコンのレシピを載せてくれてまして、私はこのレシピを知ってから他のスコンへの興味はほぼ無くなりました。
特にアメリカ式のガツンとしたやつ。おいしいけどお腹に溜まって苦しくなるんですよね・・。
でもこのスコンは味は本当に控えめで全く重くなく、「ジャムとクロテッドクリームを美味しく食べる器」って感じです。

焼き立てをミルクティーと食べるのが最高で、これが家で再現できるなんて今回の人生で知れてよかった。と心から思っています。このレシピがついているので本の代金は実質タダ😌、さらに言えば家で作るたびに店レベルなので毎回得する勢いです。すごいね!!
尚且つめっちゃ作り方も簡単でほぼ失敗なしです。
別にお金はいらないんで、焼き立てを道端で配ってみんなに食べて欲しいくらいにはお勧めしたい 笑 けど見知らぬ人からもらう裸のスコン、超怖いですね。

家でのティータイムです。クロテッド塗ってる写真がなかった・・
気軽にぽいぽい食べたいので小さめの型で作っています

ちなみに私の激推しの組み合わせはこれです。チップトリーのストロベリージャム。とスーパーに売ってるタカナシのクロテッドクリーム。むしろチップトリーを食べたいがためにスコンを焼くと言っても過言ではない。他のイチゴジャムで食べた際に「やっぱりチップトリーの方が・・」と結局なってしまうので、もう他のジャムでは食べません。

クロテッドは私の周りではそんなに選択肢がないので無難にタカナシでいいかな〜って感じです。イギリスのクロテッドの有名なロダス社のやつも食べたことがあるけど、ちょっと私には重めだったので。(本場のクロテッドってそもそも重いものなのかもしれないですが)

紅茶はミルクティに向いてるしっかり濃いものをお勧めします!
一度焼き立てをこの組み合わせで食べると、飛びますからね・・ご注意😌


そんなこんなですごい熱量でお伝えした「イギリスはおいしい」ですが、続編の「イギリスは愉快だ」も大変面白いです。こちらにも食文化は出てきますが、どちらかというとイギリス文化や人との交流がメインな感じ。

そして最近もっと読みたくて「イギリスはおいしい2」も買って読んでみたけど、これは名前の印象とはちょっと違って改めてリンボウ先生がイギリスを興味の向くままに旅行したエッセイ集でした。おいしい 要素を過度に期待してしまっていたのでちょっと残念だった。(単行本化にあたってこの名前に変わったそうですが、誤解を産むだけのような・・)最初から旅行記とわかっていれば満足に読めたと思います。

英語は全く喋れないし、この本を読むと行きたくなるのは主に観光にはハードルの高い地方ばかりではあるんですが、いずれは本場のクリームティーを経験しに行くのが夢です。あとコックスっていうイギリス原種のリンゴ、食べたい!!!

エッセイの内容はリンボウ先生が暮らしていた1980年代とのことで、今は時代も流れてだいぶこの本のようにはいかないのかもしれないという思いも浮かびつつ、「100年や200年単位では文化が大きく変わらない国」という最高にカッコ良い国、それがイギリスなのでこの本の風景にも会えるに違いない。とも思うのでした😌

ちなみにリンボウ先生の日々の食への熱が存分にこもったこちらのエッセイもとても面白くてお勧めです!

普段活字読まないけど、食と旅行のエッセイだけはめっちゃ読みたくなる。


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