歯が抜けた時の治療法〜ブリッジ、入れ歯、インプラントの考え方〜
「前歯が抜けた」「奥歯が抜けた」もしくは「前歯を抜かなければならない」「奥歯を抜かなければならない」となった時に考えて欲しいことです。
どの様に歯が抜けたところを補うか?自分の身近な状況に置き換えて考えて欲しいと思います。
あなたはナナさん(下アゴの前から7番目の歯、通常一番奥歯)です。
毎日大変な仕事をこなしています。上からの圧(噛む力、咬合圧)も凄いです。
ある日、隣のデスクで一緒に仕事をしていた、大黒柱のロクさん(下アゴの前から6番目の歯、6歳臼歯)が急病で亡くなりました(歯を抜かなければいけなくなりました)。
なくなってしまったロクさんの前にはゴさん(下アゴの前から5番目の小さな奥歯)という少し華奢な方が座っています。
さぁ、明日からロクさんの受け持っていた仕事を誰がどうするか?
これを考えるのが「欠損補綴」です。
対策1:誰も補充しない
人員を補充せずにゴさんとあなた(ナナさん)の2人だけで、亡きロクさんの仕事を引き受けます。
ロクさんがいなくなってしまった悲しみはありますが、隣同士で協力して1.5人分の仕事量をこなしていますが雰囲気などが変わらないので(入れ心地が良い)頑張ることができます。
ただし、ゴさんとあなたが2人1組になり3人分の仕事をし続けるので、2人にかかる負荷が大きく、同時に過労からダウンしまうことが多いです。
「欠員が出たのに人員補充をせずに残りの人たちでなんとかがんばる」ということが「ブリッジをいれる」ということです。
ブリッジ
歯が欠損している部分の両側の歯を削ってかぶせ物を繋げる方法です。
歯とブリッジを接着剤で固定するため、一度つけると外れません。
違和感が少なく、咬む能力もあまり変化しませんが、歯を削る必要があります。
支えになる歯に負担がかかります。
対策2:とりあえず人員補充をする
ロクさんがいなくなってしまった悲しみはありますが新人くんを採用してなんとかその穴を補います。
新人くんはロクさんに比べるとやはり力不足です。「ちょっとわからないところあるので教えてもらっていいですか?」ととなりのあなたやゴさん質問したり、支えられながら仕事をしていきます。
ただこの新人くんはいつまで経っても成長しません。実力が変わることがなく、力不足のままです。
ただ、職場の人間関係には馴染んできて雰囲気は良くなりました。みんなが新人くんの扱い方が上手くなってきたとも言えるでしょう。
ただとなりの席のあなたやゴさんには相変わらず支えられっぱなしです。
(現実ではないですが)「全く成長しない新人くんを補充する」ということが「入れ歯をいれる」ということです。
入れ歯
歯が欠損している部分の歯茎の部分で噛む力を支えます。ただ歯の様に大きな力で支えることはできません。
入れ歯と隣接する歯に「クラスプ」というバネがかかります。そのバネは入れ歯が外れない様にしてくれたり、揺れを抑えたりしてくれます。
ブリッジと違いとなりの歯を大きく削ることはしなくても入れることができます。
食後に外して洗ったりなど取り外す手間があるのと違和感はあります。
対策3:機械化する
ロクさんがいなくなってしまった悲しみはありますがロクさんの穴は世の中のDXの流れにのって機械化することにしました。
「メカロク」さんです。金属製のハイテクボディです。
「ゴサン、ナナサン、キョウカライッショウケンメイハタラキマス。ワタシガロクサンノカワリニナリマス」
「メカロク」さんはとても優秀でなんでもこなしてくれてしかも力持ち。多少壊れてもパーツを交換すれば修理もできます。
ただ、コア部品が壊れてしまうと全て買い替えないといけません。
「人員を補充しないで、ロボットを導入する」ということが「インプラントをいれる」ということです。
インプラント
外科処置をおこない骨にチタン製のネジ(人工歯根)をいれて歯をつくります。
となりの歯を傷つけたりすることはありません。しっかり噛む力を支えてくれます。
人工歯根(インプラント体)が折れたり、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)で土台が揺らいだりしなければ破損したパーツは交換できます。
感染に弱いため、念入りなお手入れが必要になります。
価格が高いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがでしたか?
少しても治療法を選択する一助になれば幸いです。
当院のインプラントについてこちらから参照してください。
執筆
江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長 江間秀明
江間ファミリー歯科・矯正歯科HP
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