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ライトムーン王国物語1−7

「着いたぞ」
「ふわぁぁ!キレイ」
「フッ。気に入ったようで何よりだ。だが、この塔から出てはいけない。分かったな?」
「どうして?」
「外に出たら悪い人に捕まるからだ」
「分かりました。でも、お散歩はしてもいいですか?」
「…仕方ないな。この塔が見える範囲だけだぞ?」
「はい!」
「もう私は行くが、他に頼みたいこととかはあるか?」
「いえ、大丈夫です」
「そうか。何か欲しいものがあったらセシルに言え。いいな?」
「はい!お父様!」

ーーーーーーーーーーーーーー1ヶ月後

……あー面白かった!でも、お兄様が来るのはまだ先か…お散歩でも行こっかな?


最近はこの辺りもだいぶ慣れたよねー
「クゥン、クゥン」
「?」
何か音がする?何だろう
「クゥン、クゥン」
「!?」

赤い…これは、血?白い獣…聖獣…フェンリル…!?じゃあ、この子はフェンリル?いや、でもフェンリルは確かムーンモルドにしかいないはず…それなのにどうして?
「クゥン、クゥン」
考えてる暇なんてない!とりあえず助けなきゃ!

「大丈夫?」
って、大丈夫なわけないよね…
「クゥン…!?ガルルル」
?小さい子?じゃあ、血を流しているのは…この子のお母様?
「大丈夫よ、怖がらないで」
「ガルルル…」

バタッ

「!?大変! エクストラヒール クリーン」

「??……ワウ!!」
…この子のお母様は…亡くなっている…わね…なんて無力なんだろう…この子はもうお母様に会えないのね…だけど、私は会える…よし!

「私についてくる?」
「……」
「ふたりでここから始めよう?新しい生活を」
ていうか、言葉わかるのかな?
「ワウ!!」
!返事した!分かるんだ。凄い!
「おいで!私の名前はリア!ツェツィーリア・ラナ・アルテミス!よろしくね?」
「ワウ!!」
「あなたの名前は?……って言っても言えないよね…うーん…ワンチャンって言うのは呼びにくいから…あ!リファってどう?」
「グゥゥ」
「ダメか…じゃあ、アランは?」
「ワウ!!」
「よし!じゃあ、今日からよろしくね!アラン!」
「ワウ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーその頃 セシル 王宮

「おはよう、セシル」
「おはようございます。殿下」
「御愁傷様」
「ありがとうございます。殿下」
「…セシル…。週末、気分転換しにどこかに行こう」
「遠慮しておきます」
「ふふ、相変わらずだね。君は」
「何がですか?」
「いや、何でもないよ」
「そうですか…。そんな事より殿下。最近、あの女の子はどうですか?」
「(そんな事って…まぁいいか)えーと…君が言っているのはベアトリーチェ嬢の事かな?」
「はい」
「今は勉強に励んでいるようだが…正直、私はあれが聖女だとは思えない」
「同感です」
「あの女にはお互い気をつけた方が良さそうだ」
「はい」


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