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ドラクルージュにおけるリバースHOの考え方について

近年リバースHO系のシナリオがCoCで流行っている気がします。
私は腹芸が苦手なので余りリバースHO系は得意じゃないのですが、シナリオを作る側としては結構好きだったりします。
ドラクルージュもサプリメント・ヘレティカノワールからリバースHOが導入されており、私自身、何度か製作に挑戦しています。
知り合いの方にリバースHOについて尋ねられたことがあるのでその時につらつらとまとめたものを掲載します。

1.リバースHOとは
まず、リバースHOに関してざっくりどういうものと考えているかの説明を。
基本的にリバースHOは特定のキャラクターにのみ「こういうRPをしてほしい」「こういう役割のキャラを作ってほしい」という指示をする装置だと思っています。
HOの指示内容に関しては大きく2種類があります。
一つは「使命」。これは、PCがシナリオ内で果たすべき具体的な行動やミッションをリバースにして、シークレットミッションを遂行させるものです。
もう一つは「秘密」。これはPCの過去や立場・心情などをリバースにして、PCにRPもしくはシナリオ上重要な情報を付随するものです。
大体上記に描いた内容をリバースに切り分けています。

2.ハンドアウトの考え方
基本的にリバースHOを考えるうえで最重要なのは、HOを与えられたPCがどういう動きをするかをシナリオの中で予想することです。
オープンHOはいわゆる公開情報になり、PL全員が共通で認識した上でシナリオに取り組む内容になると思います。
それに対してリバースHOはそのHOを与えられたPCのみが持つ情報になります。
故に、「そのHOのPCがシナリオ上でどういう役割を果たすか?どうしてそのHOが必要なのか?」ということをよく考えて配布した方が、きっと物語は面白く、楽しくなります。
HOの持つ役割や必要性はオープンでもリバースでもよく考えた方がいいと思います。
(これについては長くなるので割愛します。要望があれば別で記事書くかも)
その上でこれはオープンにするか?これはリバースにするか?ということを切り分けるというのがベターなのかなと思っています。

3.何をリバースHOとして渡すか
HOは基本的にPCの役割や立場を重視して作った方がいいということを踏まえたうえで、では、何をリバースにするかって話に移行します。
リバースHOを作るときに意識しているのは、「リバースのHOが明かされた時に、シナリオの別の側面が見える」ということなような気がします。
表のハンドアウトだけでも話は成立するように見えるが、裏のハンドアウトが明かされると、シナリオの隠れた側面が見えるというのが一番うまく出来ている構成かなと思います。
逆に、そもそもすべてのリバースハンドアウトが明かされないと物語の真相にたどり着けないというのでもありだとは思いますが、あまりやりすぎるとPLが秘密を明かしてくれなくて詰むってことがあります。
(私は一回ありました)
もっと簡単な形にするならば、シナリオには関係はあるものの展開をあまり左右しない形でかかわっていた(公式シナリオの秘密のような内容)ってことにするのがいいと思います。
仮に似たような内容でも、それぞれの立場が違うというだけで、物語には意外と面白さや変化は生まれるので。
結局はそれぞれ違うHOにすることで、「このシナリオでどういうことがやりたいか」ということに帰結するとは思います。
それが、立場が違う者同士の対立なのか、一つの問題に対する協力なのか、秘められた謎を解き明かしたいのか等々……ということを踏まえれば、シナリオに必要な役者の内容は十分考えられると思います。
その上でやりたいことを演出するエッセンスとしてHOがあるので、内容を使ってPLがPCを動かす指針を作ることを意識して、ある程度の方針とある程度の自由さがあるといいでしょう。

4.データとしてのリバースHO
リバースHOにデータ的な付属効果をつけておくというのも手法の一つです。
(私はよくこれを使います)
利益があるならばPLは積極的に秘密を開示しようと動きますし、不利益があるならばできるだけ開示しないでおこうと考えるので、データの内容だけである程度PCの動きをコントロールすることができます。
例えば、とても強力な力を持っているが、ある事情でそれを隠している……というリバースHOにしておき、開示した時に力をデータとして利用できるがその代わりにに渇きを取得する、などにしておくといった感じにして、そのデータが生かせるように敵を組んであげると伏せてからの開示の流れがきれいにできるでしょう。
また、そのPCの役割をデータに落とし込むことで、こういうPCを作るというイメージが具体化しやすいと思います。
因みにデータについては、公式のものを転用するか、もしくはそのシナリオ限定の効果とする方がいいでしょう。

5.HOを開示するかしないかの選択
前述にもあったように、リバースHOは開示さない可能性が大いにあります。
少なくとも、開示されないことを想定してクリアが可能なようにシナリオを組んでおく方がTRPGとしては公平でしょう。
(必ず開示しないとクリアできない場合は公開情報として置いておくべきです)
それはそうとして、PLがHOの公開がしやすいようにシナリオの流れやデータの内容を調整して”見せ場”を作っておくことも時としては必要となります。
シナリオにとって重要なHOであればあるほどいい場面で公開したいというのがPLの性です。
見せ場についてはやりようはいろいろあります。特定のHOのキャラクターにのみNPCの反応を変えたり、HOを所持しているキャラクターなら意味の分かる情報を描写に取り入れたり、HOのデータがカウンターになるデータ構成にしたり……。
あまり難しく考える必要はないと思いますが、シナリオに対してあまり意味の感じられない秘密の場合、PLはすぐに公開してしまうか公開のタイミングを逃すことが多いですので、何かしらそれぞれの秘密に関連する要素をシナリオに持たせておくことは留意した方がいいでしょう。


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