謎解き その3

超難問に出くわしました。
「ちょっとした無理」ならしょっちゅうなんですが、今回は久々に絶対無理でしょうという話です。

お客様は年配の女性。
おばあちゃんです。
本を探していらっしゃるようです。
私は検索を始める準備をしました。

「出版社おわかりですか？」
「出版社、わからないわ」
「では題名は」
「題名、わからないのよ、それが」
「では著者は」
「著者もねぇ、ちょっとわからないの」
「……それはちょっと……」（探しようがないですねぇ）

彼女の持っていた情報は以下の通り。

１．「女の人が書いたのよ」
２．「今朝の新聞に載ってたの」
３．「文庫で出ているらしいの」
４．「時代劇なんだけど」

女の人が書いた時代物小説で文庫本……。

降参です。
無理です。
そんなもの山ほどあります。
特定できません。
一番手っ取り早いのは、その新聞記事をお持ちいただくことなんですが。

「これではありませんよね」と、たまたま新刊で平積みになっていた宇江佐真理をお見せしたら、
「これもおもしろそうだからいただくわ」と、おっしゃってくださったけど。

なんとかして探してあげたい気持ちでいっぱいです。
でも、出版社不明、題名不明、著者不明では、やはり探すことはできませんでした。
ごめんなさい。