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チェスの可能手順数が宇宙の原子数を上回る理由

チェスは人類最古の知的娯楽の一つです。しかし、皆さんは「チェスの可能な手順の総数」がいかに膨大な数値に上るか知ってますか?
1940年代、著名な情報理論の創始者クロード・シャノンが、驚くべき計算を行いました。

それによると、チェス1局における可能な手順の数は、宇宙に存在する原子の数をはるかに上回るというのです。人類の想像を絶するこの衝撃的な主張は、ゲームの深遠さと無限の可能性を物語っています。

しかし、この計算が果たして正しいのか検証を重ねました。まずは現代の宇宙論や天文学的データを用いて、可視宇宙に存在する原子の数を精密に算出します。その過程で明らかになったのは、宇宙にはまだ観測されていない「ボイド」と呼ばれる大規模な空洞の存在です。ボイドの内部には原子がほとんど存在せず、宇宙の原子総数は、当初考えられていたよりもさらに少ない可能性があるのです。

一方、チェス40手における可能手順数を丁寧に算出していくと、なんと10の120乗を優に超える数値に達しました。ここでは成り駒の影響を考慮していませんし、平均的なチェス戦の手数はこれをさらに上回ります。つまり、実際の可能手順数は爆発的に膨らむことになります。

さらに想像を膨らませれば、三次元チェスのようなルール変更や特殊ルールを取り入れれば、可能手順数には無限の広がりが秘められているかもしれません。一方で、可視宇宙以外のボイド領域の存在を考えると、宇宙の原子総数は当初の想定をはるかに下回るのです。

こうした検証を経て、シャノンの主張は揺るぎない正当性を持つに至りました。果たして、無限の可能性を秘めたチェスの世界は、広大なる宇宙を構成する原子の数すら凌駕し得るのでしょうか。想像を絶する二つの無限の対決が、そこに描かれているようです。
ゲームの深淵に潜む真理とは、一体どこまでわれわれを導いてくれるのでしょうか。チェスの魅力は計り知れません。今回はその極小の一端に触れただけですが、皆さんもこの不思議で魅惑的な世界について一緒に考えてみてください。新たな扉が開かれる時、そこには未知の冒険が待っているかもしれません。

計算式を解説

可視宇宙の原子数については、宇宙の臨界密度から質量を逆算し、水素原子1モルの個数に基づいて算出しました。具体的には以下の計算となります。

・可視宇宙の半径 = 46億光年
・宇宙の臨界密度 = 9.9 × 10^-30 g/cm^3
・可視宇宙の体積 = (4/3) × π × (4.6 × 10^28 cm)^3
= 4.1 × 10^85 cm^3
・可視宇宙の質量 = 体積 × 臨界密度
= 4.1 × 10^55 g
= 4.1 × 10^52 kg
・水素原子1モル = 6.022 × 10^23 個
・水素原子1個の質量 = 1.674 × 10^-24 g
・可視宇宙の原子数 = 質量 / (水素原子1個の質量 × N_A)
= 4.1 × 10^52 kg / (1.674 × 10^-24 g/個 × 6.022 × 10^23 個/モル)
= 4.1 × 10^79 個
≒ 10^80 個

一方、チェス40手の可能手順数の計算では、以下のようにして極端な場合を想定しました。

・初期配置は1通り
・1手目の選択肢は20通り (駒の移動16 + キャスリング2種×2回)
・i手目の選択肢数を最大 max(i) とする
・各手でmax(i) = 1008 (片側16駒 × 63マス) と仮定
(実際には駒が減れば選択肢も減る)
・総選択肢数の上限 = 20 × 1008^39 ≒ 10^123

このように、天文学的データと指数関数の性質を用いた綿密な計算を経て、シャノンの主張の正当性が裏付けられたのです。
さらに、観測の限界により見えていないボイド領域の存在を考慮に入れれば、可視宇宙の原子数はさらに小さくなる可能性があります。このことは原子数と手順数の開きをより大きくするでしょう。
また、チェスのルール自体に変更を加えた場合、例えば三次元チェスや特殊ルールを取り入れれば、手順の可能性は一気に指数関数的に増えることでしょう。そこには無限と呼べる広がりさえ秘められているかもしれません。

チェスが上達し勝つ戦略を考える

シャノンの主張を検証していく中で、チェスの可能性と深遠さがより明らかになってきました。一方で、そんなに多くの選択枝があるゲームでは、果たしてどのようにすれば勝利に近づけるのでしょうか。

まずは、チェスの定石やパターン認識能力を高めることが重要です。定石は歴史の中で蓄積された最善の指し手であり、これを学ぶことで序盤から有利に進めることができます。また、終盤の典型的な詰め手順や入門パターンを覚えておけば、勝敗を分ける好機を見逃しません。さらに経験を重ねることで、中盤での戦術的展開力や柔軟な思考力も身につきます。

また勝率を上げるには、相手の思考プロセスを読み解く洞察力も欠かせません。相手の指し手から、その狙いを推測し、打開策を見出す力が大切です。これには冷静な分析力とクリエイティブな発想力の両方が必要不可欠です。

一方で、頭脳的な能力だけでなく、メンタル面の強化も重要です。不利な局面でも冷静さを失わず、コツコツと resistant な対処能力を身につける必要があります。また自身の長所短所を的確に把握し、戦略を立てることで、限られた資源を最大限活用できるはずです。

さらには、チェスの奥義に迫るために、ゲームの本質的な法則性を探ることも大切でしょう。チェス盤の32個の駒がお互いにいかに影響しあうか、その現象の数理モデル化を試みることで、新たな戦略的示唆が得られるかもしれません。

そして何より大切なのは、チェスに対する姿勢そのものです。チェスはゲームを超えた、知的な芸術なのです。その魅力を享受し、謙虚に学び続ける心構えが本当の上達への近道なのかもしれません。

チェスには無限の可能性と奥行きがあります。しかし同時に、勝利への確かな道筋も存在するはずです。戦略パターンの経験的習得、分析力、メンタル力、そして謙虚さ。これらを総合的に高めることで、確実にチェス力は伸びていくことでしょう。そしてその先に、新たな発見と驚きが待っているかもしれません。

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