マクドナルド理論

マクドナルドが値上げを発表した。悲しい現実だ。
マクドナルドが値上げを発表する度、巷ではマクドナルドに対する個人的な意見が飛び交う。「昔は安いのがマック、美味いのがモスだったが今ではマックもモスも値段が変わらないからモスの方が良い」「マクドナルドはもう高すぎて気軽に行けない」等々。そうした値段に対する意見から、「そもそもマクドナルドに行こうと思うことがない。」という質に対する意見まで。

そんな中僕がふと頭をよぎったのが、『マクドナルド理論』についてである。マクドナルド理論とは、複数人で食事に行くことになったが誰もどこへ行くかを提案しない時に「マクドナルドは?」と近くにあって確実に行くことが出来てしまうが行きたくはないアイデアを提案することでその反対意見として他の店のアイデアがどんどん出るようになるということから、実行可能な最低な提案をすることでより良いアイデアを引き出すことが出来るようになるという理論である。このマクドナルド理論において、マクドナルドは手頃に行けるが行きたくはない店の代表として引き合いに出されており、ここにマクドナルドに対するイメージ、評価が表れている。
しかし僕にはこのマクドナルド理論が通用しない。「飯どうする?」と聞かれなかなか思い付かないでいる中「マクドナルドは?」と言われると「うん、いいね。」と返してしまうし、何なら率先して行きたいと思いながらマクドナルドを提案することが多い。つまり「マクドナルド理論」などとマクドナルドが行きたくない場所呼ばわりされているのが僕は少し気に食わないのだ。良いじゃん、マクドナルド。これが僕の感想だ。
マクドナルドが実行可能な最低な提案として扱われるのは、その店舗数の多さに起因するのだろう。マクドナルドは本当に店舗数が多い。日本には約2950店舗あり、東京都だけで351店舗ある。もはやどの駅にも存在し、中にはひとつの駅に2, 3店舗存在するほどの数があり、そして放課後や夕飯時になるとしっかりと客が入っている。決して店舗数が無駄に多いということもなく、値上げをする度に巷で話題になるということは、それだけマクドナルドが多くの人に愛されている証だ。それゆえに複数人で食事に行く際には「普段一人でも行けるマクドナルドにこうしたタイミングで行くこともないだろう」「最近行ったばかりだから今日はちょっと気分が違うかな」などという必ずしもネガティブではない理由でマクドナルドを避けているのだと信じたい。あまり食事にこだわりが無く同じものを食べ続けることを苦にしない僕にマクドナルド理論が通用しないのも同じ理由からだと信じたい。

月見バーガー、三角チョコパイ、グラコロ、チキンタツタ… マクドナルドから毎年恒例の期間限定メニューが販売される度に話題になるほど市民の胃をがっちりと掴んでいるのは言うまでもなく、だからこそ値上げにより求めづらくなるのは多くの市民にとって衝撃的なニュースになる。円安による原価高騰というのはどうすることも出来ないが、値段が上がったからといって「そもそもマクドナルドって…」とむやみに悪く言うのはとても惜しいことだと思う。値段がそう変わらないならモスの方が美味しいと言う人もいるが、僕はチープな見た目のマクドナルドのハンバーガーたちが変わらず好きだ。だから僕にはマクドナルド理論は通用しないし、これからもたまに通い続けるだろう。ちなみに、最も好きなハンバーガーチェーンはロッテリアだ。これだけは譲れないが。

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