2022年11月8日

気にしていないつもりだったが、どうやら躁インフレが終わりを迎えていたらしい。何もかもやる気が出ない。ノイズが邪魔して思考がクリアにならない。おかげで今日はタスクに何も手をつけていない。ショットガンのような大きな銃で左の胸元を撃ち抜かれ、火傷せんばかりの熱を感じながら呼吸が浅くなっていったところで目が覚めてから、具合が良くない。
今日は月食と惑星食が同時に起きる日だったらしい。前に起きたのが400年以上前らしく、相当珍しい天体イベントだった。いつもの僕ならちょっと見てみようかなと思っただろうが、今日は全く関心を示さなかった。よくある逆張り的なひねくれではなく、そんな元気さえなかったのだと思う。
そもそもあまり天体に興味が無いことも作用した気がする。大体天体イベントに興味が集まるのは、ナンタラ彗星が何十年ぶりに来たとかそういう類である。一生に一度のイベントだから見逃すまいと皆夜空を見上げる。だが、関心が集まるのは珍しいからであってその事象そのものに興味があるわけではないのだと思う。事象そのものの面白さや美しさで言うならば普通に打ち上げ花火を見たりテルミット反応で燃えていくアルミニウムを見たりする方が僕は好きだ。月が欠けていくのを見てもそんなに感動しない。ただそこに珍しさが付与されることでそのイベントに大きな価値が生まれるという、それだけのことなのだ。だからどんな天体イベントでも、興味を持つのは「珍しいから」というだけで、それならわざわざ月食を今日この瞬間目にせずとも次に来たるまた別のレアイベントに気が向けば参加したら良いのではないか、といったことを感じてしまった。
SNSを見れば月の画像ばかりである。皆ちゃんと楽しんでいるようである。だがもしもそのイベントが比較的高頻度で起きるものだとすれば、それをいちいち目にする人はどれだけいただろうかと考えてしまった。短時間で月の満ち欠けを見ることが出来るのは面白い事だとは思うが、それ以上の感動は無いだろう。恐らくこれまで何度かレアな天体イベントに出くわし空を見上げてきたが、具体的な内容については何一つ覚えていない。それくらい、起きていた事そのものについては関心が無く印象が薄かったのだ。だから、「ふーん、良かったね」といいねを押して回る。今日のテンションが高ければ僕もそっち側の人間だった。何も残らなくても珍しいの1本で自分の心を行動欲に持っていくくらいの単純さを僕はちゃんと持ちあわせているはずだ。ただ、今日は出来なかった。それだけの事だ。

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