2022年10月24日

「外に出るのが面倒くさい」「家に複数人いる」「ドミノピザが近くにある」……この3つの条件が揃ったとき、夕飯は何にするだろうか。誰もがドミノピザを選択するだろう。Uber Eatsが台頭してきて、高めの手数料を払って家で食事をするという文化がある昨今、ドミノピザはしょっちゅうセールをやっており「安く」家で食事を楽しめるサービスを提供している。今はLサイズを1枚買うとMサイズを2枚タダでオマケできるというキャンペーンをやっており、4000円を2人で割れば2000円で満腹になれるのでなかなかコストパフォーマンスが良い。普段一人暮らしをしていてピザを食べる機会は無いので、これだけでちょっとしたパーティーになる。
安めに抑えて楽しんだものの、ピザの「特別感」は抜けきらない。それはピザに「高い」というイメージがあるからだろう。チーズ、トマトソース、小麦の生地。原材料だけを見ればそれほど高くなりそうにないが、想像以上にピザは根を張る。同じジャンクフードであるハンバーガーとはかなり価格差があり、ハンバーガーは庶民の食品であるのに対しピザはパーティー用というポジションに収まっている。前にピザパをやった時に、「ピザって美味いけど高いんだよな。安けりゃ毎週でも食べられるのに。」ということを言われた。確かに毎週食べられるものではない。しかし僕はピザはこれで良いと思っている。
値段が落ちてピザが毎週食べられる1000円程度になったとする。そうすると同じ価格帯にハンバーガーがいて、同じ客を取り合うことになる。そうするとドミノピザもマクドナルドも売り上げを伸ばすのに苦労するだろう。しかし現状はどうだろう。学校帰りにドミノピザに行こうとは思わないし、ちょっとしたパーティーにマクドナルドのテイクアウトを提案する人はいないだろう。つまり、棲み分けが出来ているのだ。価格を抑えて気軽に食べられるマクドナルドと、パーティー事のような大事な場面で選べるドミノピザ。ハンバーガーとピザは同じジャンクフードというカテゴリにありながら、性質、イメージ、ブランドが全く違う食べ物なのだ。そのため、ピザは変に安くするよりかはそれなりの値段で提供されることでパーティー料理たりえるのではないか、と僕は考える。値段にはその商品そのものの価値だけではなく、趣向性、ブランディングも込められているのではないか。「もっと安けりゃいいのに」とはいろいろな場面で思うが、それは野暮な考え方なのかもしれない。

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