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シンガポール下の島々調査記3話目(調査スタッフの日記 Part5)

これは、とあるスタッフの日記を抜粋したものである。
シンガポールの南に位置するインドネシアの島々を回った時の、とある1日の日記3話目(完結編)。
1話目はこちら ※2話目はこちら
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シンガポールの南方にシンケップ島があり、島内の小さな漁村”マロックトゥア”沖にビーチを有する島は2つだけある。

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村民はこれらの島を、「石が沢山あって、と~っても美しい島だよ!」と誇りにしていた。隣りの家のおじちゃんは、いつもこの島周辺で漁をしていると言っていた。つまり、漁村からわりと近い、行きやすい島ということだ。
この2つの島を、どれくらいのタイマイが産卵地として利用しているのかを調査した。

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1つはわりとでかい島で、ビーチを歩いて回るのに一時間半もかかった。そして人が2人だけ住んでいる(訪問時はもっといたけど…?↓写真)。

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もう1つの島は小さめで、遠目にタイマイにとって良いかんじの島~…という印象だったけど、歩いてみたら産卵は少なかった。

実は、漁村から一緒に船で来て案内してくれたおじちゃんは、この小さい島に以前、30年ほど住んでいて、ずっと卵を取って食べてたことが発覚(↓写真の方)。30年も根こそぎ取って食べてたら、そりゃぁ、少ないよね。

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小さい島は今は無人島だけど、訪問者は多く、今も卵は取られている。これからもこの2つの島で、タイマイの卵は取られ続けるだろう。
今、産卵しているタイマイは、いつまで産卵し続けられるだろう?30年前から産卵しているとしたら、ウミガメの産卵寿命※を考えると…?
(※産卵に戻ってきた世界の最高記録は2015年時点ではアオ38年、アカ33年でした。確認されている記録なので実際はもう少し長いと思われるが、長い個体でこの長さということ)

…この島のタイマイは救えないかも…正直、そんな弱気な事を思ってしまった。。

おじちゃんが住んでたとき、卵は売るためではなく、島内だけで消費していたらしい。「ご飯と食べるととーっても美味しいんだよ!」って、嬉しそうに話すおじちゃんの言葉が私の心に残った。


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