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いずれすべては海の中に(ネタバレありの感想です。ご注意ください。)

大好きなSF短篇集『いずれすべては海の中に』 読み終わって随分経つのだけど、日常のふとした瞬間に気持ちがふっとこの本の中に戻ってしまう。 語られない部分の多い幾つもの物語は、その余白に胸を締め付けられて本を閉じてもいつまでも物語が終わらない。 中でも退役軍人とその家族を描いた『記憶が戻る日』 覚えているにはあまりにむごい戦争の記憶を忘れさせ封じこめ、 年に1度だけ記憶が戻るその日のお話。 大切な人の記憶も自分が軍人であった事さえも戦争に関するものは全て忘れてしまう。 そ

    いずれすべては海の中に(ネタバレありの感想です。ご注意ください。)