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【時事日記】 大雪で立ち往生

 今週の半ばあたりから新潟県は豪雪に見舞われ、高速道路で立ち往生した車が雪に閉ざされてしまうというニュースがあった。関越自動車道の石打から六日町あたりの上下線で動けなくなった車が渋滞のように雪に閉ざされてしまったというものだ。

 同じような立ち往生はここ数年毎年雪国のどこかで報じられているが、以前はこんな事はめったになかったように思える。少なくとも毎年似たような事故が起こるというのはここ数年の事ではないだろうか、もしかしたら毎年どこかで起きてはいるがニュースとして報じられないだけのことなのだろうか。

 詳しい原因も何もわからないが、この手の事故はいつも冬の初めに起こっている。年明けて寒さも厳しい2月くらいにこの手のニュースを見たことがない。

 テレビを見ている側としてはどうしてこんなになる前に逃げられなかったのだろうかとも思うのだが、高速道路の場合はそう易々と後戻りはできない。先が詰まっていれば自分もそれにどうしても従ってしまう。この手の事故は高速道路に限ったものでもないが、高速道路の場合は今書いたような事が主な原因ではないだろうか。

 ここでできることはどうしてなのだろうという問題を投げかけることくらいなのだが、一緒に考えてもらえる切っ掛けにはなりそうだ。立ち往生するとだんだんとそれが長くなること、もう一つは冬の初めに起こること、ここ数年は毎年どこかで発生するが、少し前はめったに聞かないようなニュースだったこと。これはどうしてなのだろう。

 邪推にしかならないがこの種の立ち往生の先頭はいったいどうなっているのか、そこに最初に動けなくなった車がいるのではとまず考えられる。最初の車が道路をふさぎ、後続の車もそれを避けるように前には出てみるが同じように動けなくなる。こうしていつしか先頭が塞がれて後ろの車がその間を縫うように動くスペースがなくなってしまえばあとは自ずと後続の車は次々と止まってしまう。

 冬のこの時期というのはもしかしたら雪道対策をしていない車がまだ多いのも理由だと考えられる。冬タイヤも装着せず、チェーンも携帯していなければ突然の大雪の時にはどうしても足止めを食ってしまう。その理由としてはどこかで滅多にお目にかかれない雪道を甘く見ているところがあるのだとも思える。とは言ってもタイヤの交換は煩わしい、それに加えて早くに冬タイヤを装着してしまえばその分タイヤの減りも早い。なのでどうしてもギリギリまでタイヤ交換は避けたくなるのだろう。

 勿論それだけが原因ではないだろうが、もしそれも原因の一つだったとしたら車を運転する人の意識の低さはもっと十分に議論されてもいいように思える。自分はそんな目には遭わないだとか自分は大丈夫という根拠のない過信が今回のような大規模の立ち往生の原因になっているのだとすれば、そこはもう一度再認識させる機会が必要にも思える。

 もう一つには突然大雪になる近年の冬の低気圧だ。昔はこんな事はまずあり得なかったという気象現象がここ毎年起きている。暖冬、夏のゲリラ豪雨、発生すれば高確率で大規模になる台風。近年の気象現象は昔では数十年に一度あるかという事が毎年必ず起きている。

 中学校の理科では気象の基本的な知識は教えているはずだが、これに加えて近年の傾向も簡単でもいいので教えることができたら異常気象を予知するきっかけにはなるとは思う。それともう一つ「異常」気象という言葉もすでに異常ではなく常に起こりつつある現象だという意識も我々には必要なことではないだろうか。この立ち往生を招く冬の大雪も近年の増加する台風や水害などと同じ、「最近起こりやすくなった気象現象」として常に注意する必要があるように思える■

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