【詩作日記】 「異国の出来事 / モスクワ行き機内にて(2)」
「モスクワ行き機内にて(2)」
翼の下から
ちらっと見え隠れするのは
北海道ではなくて シベリア
地図で見て確認しないと
こんな上空からではわからない
食べて飲んで寝てばかりでは
つまんないから
せめて窓の外を眺めながら
眠気をこらえている
この飛行機に夜はないが
機内は寝静まって
小さな声が
僅かに聞こえてくるだけ
こんな飛行機の中で
昼なんてけっこういゝ加減なものだと
白い大地を雲越しに眺め
欠伸を噛み殺す
飛行機は
どこまでも続く
シベリアの空の上
「モスクワ行き機内にて(2)」 詩集「異国の出来事」より
1997年モスクワ行きSU584便にて 2021年再推敲
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