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【詩作日記】「異国の出来事 / エザン(2)」

「エザン(2)」

コンヤの街を一人歩いていた
英字新聞を探し求めて

明るかった街は
すぐに暗くなりはじめた
釣瓶落としの空は
日本だけのものではなかった

街の大きな交差点で
信号待ちをしていたとき
町中にエザンが鳴り響いた
ちょっと緊張していた僕は
耳をすませて
その楚々とした声に
耳傾けていた

異国の異教徒が古の街の中
エザンに耳傾けていても
街は変わらず動き続け
夜の帳が降りてきた


「エザン(2)」 詩集「異国の出来事」より
1997年コンヤにて 2021年再推敲


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