見出し画像

【詩作日記】「異国の出来事 / 雪のアンカラ」

「雪のアンカラ」

ポケットに手を突っ込みながら
足早に歩いていく人々
新聞スタンドの子供達が
客待ちをしながら
白い息を立てゝいる

アンカラは大きな街で
とても賑やか
バスの中にいる僕に
手を振る人までいる
僕も嬉しくなって
手を振りかえす

海外にまだまだ不慣れな自分には
あの人混みに飛び込む勇気もない
たゞ異国の町並みを眺めては
不思議な感覚に落ちていく
アンカラはまるで
ヨーロッパのどこかの街のようで
それでいてやっぱり中東の面影があり
言うまでもなく日本とはまるで違う
そんな不思議な街に
雪が静かに降り続く


「雪のアンカラ」 詩集「異国の出来事」より
1997年アンカラ・マルテペにて 2021年再推敲


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?