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【療養生活日記】 (1)太る

 退院してはや一ヶ月半。あんなに苦しかった入院生活と同じほどの時間がそろそろ過ぎようとしている。入院食ですっかり小さくなった胃袋も良かったのか悪かったのか最近は元通りに近い状態に戻ってきた。とは言っても最盛期の80%くらい。

 「病牀二十一貫」なんて短歌を書いていた頃も懐かしく、今は目方を貫で数えたら24貫くらいにまで戻ってしまった。こんな特別な数字で勘定すると殊更に太ったと痛いほど知らされる。

 一回目の入院の時に作った硬性コルセットもキツくなり、そうとう締め上げないとベルトが弾けるように外れてしまうようになったので作り直すことに。こんなこと太らなけれは簡単に解決できることなのだが、禁止動作の多い日常生活で運動もできず、梅雨で外にも出られないので太っていく一方だ、

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 写真を見てもつくづく思うが、これを最初に見たときはこんな巨大なコルセットがあるのかとも思ったし、実際装着をすれば動きはかなり制限される。腰痛緩和だの体型矯正だのといった目的のコルセットとは根幹からして違っている。しかもベルトもこれまで見た硬性コルテットよりも太くて5本もある。締め上げてテコでも動かさないという気合いに満ちあふれている。当然のことながら主治医もリハビリの理学療法士もこれはすごいコルセットだと絶賛していたが、これを装着する本人から見るとちっとも嬉しくはない。

 さらに二度目の入院の時にはあまりにも目立つのでコルセットの上に必ず何かを着て部屋の外に出ていた。

 こんな仰々しいコルセットだけどなければ生活も成り立たず、脊椎に移植した骨がしっかり定着するまでは必要なものでもあるのでもうこれ以上は太らないようにしないと。

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