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【詩作日記】 「The Third Layer / ダブルレイヤー(夜の章)」

雨の日の匂い注いで
遠くなる意識が走る
光る道足を取られて
闇の裾蛇口も眠る
冷蔵庫外に出されて
暗がりに油を漏らす
一列の波になぞらえ
振り子だけ動きを止めぬ
痩せる夜熱にうなされ
鍵を知る今夜の歴史
揺り動く銀の葉陰の
下に見た歪な歯形
釘二本頭を出して
タイル文字地中に潜る
氷水雨に誘われ
深き穴夜空に開ける
二枚床ずれて浮かべば
道のないバスが今宵は消えゆく


「ダブルレイヤー(夜の章)」 詩集「The Third Layer」から 2005年初出

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