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アニメ制作会社2社目~転職して3か月たった!~

こんにちは。
今日はあいにくの土砂降り。
通勤で使用する電車がすべて遅延していました
帰りは遅くならないといいな。

私、日本に戻りましてタイでもう一度働くためにある業界で修業中であります!!
そう、アニメ業界に舞い戻ってまいりました。

私にとってのアニメ業界のイメージ

アニメ業界といえば、父の勧めで新卒の時に飛び込んだ業界です。
もう二度とアニメなんて作らない!!とか思ってたけど
一度飛び込むと「アニメ業界の人」から出るほうが難しかった。
なんてったってほかの業界のことなんて1ミリもしらないから。
今の会社に内定をもらった後しばらく『嫌だ…またコンビニより安い時給で死なないギリギリのラインで働かせられるんだ…この業界は外国人や女には風あたりが強いから毎日見下されて、きっと居心地が悪いんだ」と怯えてました。

私の前職では明確に以下のような定義がありました。
外国人=信用できない、技術レベルが低い、約束を守らない、やる気がない
若い女=男性を喜ばせてもてなすもの
「お金をもらっているのだからもっと可愛くなって上司を喜ばせろ」と言われたのがきっかけで会社を辞める決意をしたのを今でも覚えてるし、可愛くなるどころか入社して3か月目からは会社の最寄り駅までくると恐怖で震えていました。
「人間関係なんかでつまづくな」と人事に言われたとき、本音で「現場に来てもらえばわかると思うが、私は職場の誰とも関係すらできずにいる」と答えた。この会社は入社して2日目で外国人の地位がすっごい低いって気づいて辞めようと思ったけど、鬱になる1週間前までは続けようと思って、なんとか1年はやった。(怒鳴られて笑顔になるくらいには感情はぐちゃぐちゃだった。そして笑顔でいることも怒られた笑)
そのあとは、引き留められるのがわかっていたので、いろいろ嘘ついてやめました。

同じ業界内で転職してみて

〇外国人への反応の違い
私が新卒の時入社した会社とはイメージが全然違いました。まず外国人の数がすごく多い!ハーフも多いです。隣の席の方もハーフさん。
外国から来た方の中には日本語が話せない人もいますが、英語ができるスタッフも多い(自分を含めて)ので外国人だからと言って、お荷物に思われたり、信用がない、会話するのがめんどくさいという空気は社内には一切ありません。前のアニメの会社では「俺外国人は信用してない。ハーフであっても」と入社3日目に言われたのに対して、「えー!!タイからきたの!?タイのアニメのイベントに出展するにはどうしたらいい!?」「タイの会社と付き合いがあるから助かる!出張の領収書を翻訳して!」と、むしろありがたがられてばかりでびっくりしました。

同じ業界でも環境が変わるとマイノリティへの待遇が全然ちがいます。
煙たがられるか、ありがたがあられるか。
生まれてきてから、このどちらかしか経験がありません。
そして煙たがられたときの記憶だけが蓄積されて、自己肯定感が下がり、自分は間違って生まれてきたんだ……と錯覚してしまう。
そうなるともう、「生きててもしょうがないや」とか「純日本人になりたかった」とか「自分は発展途上国の血が入っているから見下されて当然なんだ」という風に幼い時から自分を思うようになる。
そう思わせない環境に身を置けたときって、なによりも幸福に満ちるんですよね。「生きてていいんだ」「私はよい意味で特別な出生なんだ」「私にしかできないことがたくさんあるんじゃないか」と。
そう思わせてくれる会社が増えることを祈ります。

〇女性雇用について
まだ管理職の女性はいないようで、これは前職とそう違いがないようです。
ですが、女性トイレの個室数が1個ではなく5個くらいあったり、生理用のフリーナプキンが置かれているなど福利厚生的な意味で、女性の扱いが丁寧だと感じました。前の会社だと、女性はいないも同然という扱いだったので、確かに女性は社内には少ないけども、過ごしやすさって面で女性の離職率が高いのもまるわかりだったので定着率を上げる試みとして、今の会社はgoodだなと思いました。
前職も女性を積極的に社内に受け入れたいとはいっていたけど、男とうまくいやっていける女性が採用基準(例えば、ショートカットで体育会系で男勝りな一面があるとか)になっているような感じで、男性スタッフに合わせるというのが前提でした。これがいいのか悪いのかはわからないですけど、私はあわなかったです。

〇待遇
ちょっと残念です。
そこまで残念がることでもないのかもしれませんが、
現職はなんと週休二日制でございます!(休日出勤手当もありません)
先輩の話によれば、優秀な人が辞める原因として介護、子育て世代は若手の時とライフスタイルが変化しており、祝日が休みではないと働きにくいというのが大きな要因とのこと。
アニメ業界はそもそも休みにくい業界。
休めそうなタイミングで休めるとよいのですが……。
(アニメ制作会社には業務委託でしか社員を取らず、休めるときは毎日休め!ってしてるところも多い。)
前職は土日祝休みでしたが、休めるのは月に3日あればいいほうで。これは結構業界の平均水準くらいなんじゃないですかね。

〇給与
制作部で30万円以上もらっているのってプロデューサー以上じゃないといないんじゃないすかねって感じ。
前職は残業代がかさんで(見込み残業時間は45時間)新卒でも手取り34万円とかはあったんですけど、今は見込み残業時間以上働くには、申請が必要でよっぽど佳境じゃない限り、残業代がもらいにくくなっています。
なのでデスク以下は25万円以下のお給料で日々をしのいでいるよう。
先輩は服を買う気にも美容室に行く気にもなれなくなってしまったといっていました。
私もこの会社に入ってから服などは買わなくなってしまったし、入社してからは髪も一度も切ってないな……そろそろどうにかしないと。

アニメ業界といっても会社によって全然違う!

これにつきます。
前職と今どちらがいいのかという質問にこたえるのは結構難しいです。
でも現職のほうが個人的にはあっていると断言できます!
日本のアニメを作る仕事は世界的にも低賃金・重労働で知られています。
それでも制作になりたい人は大勢いるでしょう。

最近「ブリジャートン家」の3rdシーズンを見て、主人公のお母さん=レディ・フェザリントンが「ロマンチックというのはね、安心のことよ」と言っていたのが最近、胸に突き刺さった言葉でございまして。
恋愛にはドキドキとかスリルとか多少のあぶなっかさを求めがちだと思います。でも安心の上にしか真のロマンチックは成り立たない、つかの間の一喜一憂をロマンチックとは呼ばない。
たしかにそうだなと。

何が言いたいのかというと、苦労してでもアニメのために命を懸けることはないってことです。あなたにとっての体も心も健康でいれる制作会社はあるはずで、有名なアニメの会社に入ることはこの業界でさほど大切なことではありません。ただ「大変そうでしたね」って言われるだけです。
これからアニメ制作になろうって人は、社名や作品名ではなくまず安心を求めるとよいでしょう。どんな就職・転職もそうかもしれませんね。

最後は説教がましくなってしまいましたが、ここで終わりたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。


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