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世界の終わり #3-6 ハンター


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 四日かけてようやく終えた穴掘り&施設のメンテナンス。駐車場を含めたら相当の広さやから四日かかったのも当然やけど、どのくらいの広さなんか訊かれても学のないおれには上手く説明できひん。よく聞く東京ドーム何個分とかって表現も、東京ドームがどこにあるのかすら知らんおれには全然ピンとけぇへんのやけど、多分一個分くらいの広さやと思うよ。多分ね。知らんけど。
 施設で最後に行ったんは、周囲を囲んどる柵に破損した部分はないかのチェックと、壊れていたら補修、の単純作業。はじめから柵が取りつけられとらんかった箇所はロープを張って出入りでけんようにしたし、場所によっては有刺鉄線を張り巡らせた。これから運び入れる商品が商品やから、念には念を入れてチェックしとかな心配で夜も眠れんくなってまうわ。や、それはちょっといいすぎか。で、正午過ぎにおれとウディとカンバヤシの三人で、トラックに乗って商品受け取りに港まで移動。自衛軍に見つかるとヤバいから、狭い山道をコソコソ移動するわけやけど、途中落石しとる箇所があって往生した。施設内だけやのうて公道もまたメンテナンスせなあかんのは辛いわ、ほんま。余計な汗かいてもうた。
 商品の受け取りは太平洋側の港で行うので、九州山地を越えて宮崎東部までの道のりを四時間かけて移動する。途中、カンバヤシの提案で、五ヶ瀬川上流で停車して川に入り、身体を洗った。川の水は死ぬほど冷たかったけど、ベタついた身体のアブラを洗い落とせて気分爽快。服も着替えて、見た目を綺麗に。これから怖い怖い雇い主様と会うわけやから、外見を整えるのは当然といえば当然や。

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