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短編小説

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短編小説をまとめて。
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#SF小説

ニッポンてところは なかなかステキ (1)

『うちの敷地内で、怪獣が死んでいるんですけど』 【概要】  父親の唐突な思いつきで、アイ…

ニッポンてところは なかなかステキ (2)

          *  アイルランド暮らしのころ、ニッポンについての知識はほぼ皆無だっ…

ニッポンてところは なかなかステキ (3)

          * 「よく見れば可愛い顔をしているでしょう? 目なんかクリクリしてい…

ニッポンてところは なかなかステキ (4)

          *  キョウトにきた!  新幹線に乗ってキョウトにやってきた!  妙な…

ニッポンてところは なかなかステキ (+α)

(本作は『ニッポンてところは なかなかステキ』4の続きです)           *  動…

古書堂の殺人 (1)

〝魂〟と呼ぶのが相応しいか。  それとも〝心〟であろうか。  かたちも、色も、質量すら有し…

古書堂の殺人 (2)

 出入り口の扉を開けると黄ばんだ背表紙の本の列に圧倒され、遅れて下腹あたりを刺激する心地よい香りに包まれる。  縦長の通路を進むほど香りの濃度は増し、両側の本の壁が押し迫ってくる錯覚に襲われる。  通路の突きあたりに年季の入ったカウンターと、比較的新しい座り心地のよさそうなパーソナルチェア。椅子のうえには、仏頂面した串間警部補が、火のついていないタバコを口にくわえて腰を下ろしている。背面に木目が確認できないほど黒ずんだ引き戸があり、引き戸の奥では二名の私服警官が息を潜めて待機

古書堂の殺人 (3)

 乾燥した冷たい空気が流れこんできて、首筋を撫で、無防備な襟首(えりくび)から服の中へと…

古書堂の殺人 (4)

 古書堂前での禍々しい事件から一週間が経過した平日の午後、串間警部補は、百瀬奏多が借りて…

汚れた血 (1)

- Mauvais sang - 【概要】  消失した宇宙貨物船〈キャロ〉唯一の生存者、アガサ・ローナン…

汚れた血 (4)

          * 「逃げろ、バケモ……バケモノが大量に……」ノーマンは床に手をつい…

汚れた血 (5)

          *  騙された。  気がついたときには、ジャック船長の乗る小型シャト…