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【連作短編】世界の終わり

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【完結】群像劇。― end of the world 01 ― 連作短編小説です。
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#群像劇

世界の終わり #0 -Overview-

— end of the world 01 ― 生物を〈生ける屍・グール〉へ変化させる感染症発生によって封鎖…

世界の終わり #1-2 プレミア

 ぼくと板野、そして荒木がいる場所は、福岡市南区の高台に建つ、峰岸という人物が所有する個…

世界の終わり #1-3 プレミア

 頷いて返される。ぼくはかぶりを振る。椅子から離した手を太ももにあてて、強く擦っている荒…

世界の終わり #1-4 プレミア

 すぐさま板野の姿が目に飛びこんできた。板野は扉のノブに手をかけて座っていた。ひとりだ。…

世界の終わり #1-5 プレミア

「あ?」間抜けな声をだした荒木が腕の力を緩め、眉間にしわを寄せて後方へと退く。  ぼくも…

世界の終わり #1-6 プレミア

          *  先月末、ぼくが働くフィギュアショップで、従業員による現金の持ち…

世界の終わり #1-7 プレミア

 三日後の深夜、ぼくらは中国州の玖波漁港から漁船に乗って海上を進み、沖合で船を二度乗りかえて、九州東部に位置する小さな港から九州上陸を果たした。  港の近くには古びたワゴン車が用意されていたが、これは前回の上陸時に近くの民家から盗んで、荒木が修理したものらしい。船で運んだガソリンを給油して、余ったぶんの携行缶は荷物入れに積み、ぼくと荒木と板野の三人で、ワゴン車に乗りこんだ。  荒木は過去に何回も九州に上陸してレアなフィギュアの収集――というか窃盗を働いてきたらしく、上陸後の行

世界の終わり #1-8 プレミア

「ぼくらが欲しているのは、峰岸さんが収集しているフィギュアです。フィギュアを渡してくれれ…

世界の終わり #4-1 メタフィクション

 自衛軍西部方面隊第八師団の皆藤(かいどう)が運転する73式中型トラックに同乗していた広…

世界の終わり #5-9 グール

 違う。  こんなんじゃない。  こんなはずじゃない。  こんなはずじゃなかった。  わた…