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大漫画家 松本零士

松本零士さんがお亡くなりになった。
初めて集めた単行本は銀河鉄道999。
初めて観に行った映画も銀河鉄道999。
直撃世代というだけでなく、松本零士の漫画が好きだった。
戦場ロマンシリーズ、四畳半シリーズから短編まで、
書店で目にした単行本は全部買って読んだ。

大人になって読み返してみて、
いやいやデタラメじゃん、と思う部分もあるし、
いまでも真理だ、とおもう部分もある。

自分が999で一番好きな話は
「十七石」というどマイナーな話。
アナログ時計コレクターが惑星の機械の体となるも(ナンダソレ)、
惑星中にあるアナログ時計がバラバラの時間を指しているため、
正確な時間がわからない。ゆえに惑星の住人もみんなルーズ。
惑星中心には惑星中の時計から余った部品が集まっている。
惑星は鉄郎をそこに誘い込み、全部修理するまで帰さないと言う。
そこでメーテルが惑星に語りかける。
「アンドロメダ語録」の「ある章」を読みなさい。
そこには時間のない世界のことが書いてあった。
「惑星十七石」は時間のない世界を目指して旅立つのだった。

荒唐無稽である。
でも多分、少なくとも思考の中に時間のない世界はある。
宇宙がすべてを使い果たした世界。
動くものも、それを観測する何ものもなくなった世界。
動くものがなければ時間は存在しない。
自分は何故かそこに深く共感した。

そして惑星十七石はその新天地を目指した。
でも惑星十七石くん、キミが生きたままそこへ行ったら、
そこには時間が生まれるよ?
そしてルーズな住民をのせたまま、キミはそこへ行くのかい?

時を超え 静かなる宇宙(うみ)おしわたり 行き着く先に夢はあらずや 

話は脱線したままですが、
松本零士さん、おつかれさまでした。