エリーツ内学習記事 『オーディオインターフェイスについて』(滝本)
前回の記事ではDAWについて書きました。
今回はパソコンでの音楽関係の作業にほぼ必須なアイテムのオーディオインターフェイスについて書きます。
オーディオインターフェイスは簡単に言えば、楽器をパソコンに繋ぐための機械です。これを介して、ギター、ベース、マイク等をパソコンに繋ぎ、その音をDAWに録音できるようになります。
よって、何かしらの楽器を使った作業をパソコン上で行うのであれば、オーディオインターフェイスは必須のアイテムとなります。
逆に言えば、打ち込みだけなどの楽器を全く使わない作業をするのであれば、オーディオインターフェイスはなくてもなんとかなります。
さまざまなメーカーから多くの製品が発売されています。以下、私なりにオーディオ・インターフェイスを選ぶポイントを書きます。
オーディオ・インターフェイスを選ぶポイントその1 Inの数
Inの数とは、オーディオインターフェイスへの入力の数のことで、これが増えるほどにつなげる楽器の数が増えます。
Inにも種類がありまして、Hi-Z対応端子とか、コンボジャックとか、標準入力端子とか、いろいろあります。
Hi-Zとはモビルスーツの名前ではなく、ハイインピーダンスのことです。インピーダンスとは交流回路における抵抗のような概念です。
音響機器の接続では『ロー出しハイ受け』というインピーダンスの組み合わせにしないと歪みが発生するなどの問題が起こります。
たいていの楽器からの出力はインピーダンスがオーディオインターフェイスに比べて低いので、何も考えずにつないでも『ロー出しハイ受け』になります。しかしギターやベースからの出力はインピーダンスが高いので、それよりも高いインピーダンスを持つ端子、すなわちHi-Z対応端子に繋ぐ必要があるということです。
要するにギターやベースはオーディオインターフェイスのHi-Zと書かれた端子に繋げ、ということですね。
ちなみに、もしオーディオインターフェイスにHi-Z対応端子がない場合は、DIと呼ばれる機器を経由して繋ぐことで『ロー出しハイ受け』の状態にすることができます。
おすすめDI
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/255375/
コンボジャックは、マイクケーブルと標準フォーンケーブル(いわゆるシールド)の両方を繋ぐことができる便利な端子です。
ちなみに、たいていのオーディオインターフェイスでは、このコンボジャックのどれかにファンタム電源のスイッチが付いています。ファンタム電源とは、コンデンサーマイクを接続するときに使う電源で、これが装備されているオーディオインターフェイスにはコンデンサーマイクをつなげることができます。
というわけで、自分がしたい作業が過不足なく行えるInを持つオーディオインターフェイスを選ぶことが一番大事なポイントです。
エレキギターやベースの演奏&録音だけをするなら、InはHi-Z対応のものが一つだけでもOKです。マイクで声も録音するならコンボジャックも欲しいですね。
オーディオ・インターフェイスを選ぶポイントその2 おまけで選ぶ
現代のオーディオインターフェイスはどれも高性能なので、音的にはどれを選んでも満足できるものが手に入ります。ですので性能ではなく、おまけで選んでみるというのもいいかもしれませんね。
たいていのオーディオインターフェイスには何かしらのおまけアプリが付いてきます。
たとえばNative Instruments / KOMPLETE AUDIO 1 というオーディオインターフェイスにはAbleton Live Liteが付いてきます。これはDAWのAbleton Liveの試供品のような位置付けのものなのですが、バンド活動や楽器の練習と録音という用途では、もうこれだけで十分と言える性能を持っています。似たような機能を持つAbleton Live Introというグレードは普通に買うと10800円なので、かなりお得と言えます。
まあEQ8というイコライザーが使えないなど、ちょっと痛いところもありますが、Live liteから安く上位版にアップグレードすることもできます。
他にもPresonus製のオーディオインターフェイスであれば、Studio Oneの製品版のArtist(12100円)がついてきたりします。
さて以下では具体的なおすすめオーディオインターフェイスをいくつか紹介していきます。
PRESONUS ( プレソナス ) / AudioBox iOne USBオーディオインターフェイス
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/198318/
マイクとギターorベースを繋げる。Stdio One Artistがついてくる。安い。
Native Instruments ( ネイティブインストゥルメンツ ) / KOMPLETE AUDIO 1 オーディオインターフェイス
マイクとギターorベースを繋げ、Ableton Live liteとNative instrumentsの各種ソフトがついてきて8430円。これは安い。
M-AUDIO ( エムオーディオ ) / M-Track Solo
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/287099/
マイク入力1、ライン入力とHi-Zを選べる端子1がついて驚きの4480円。これは安い! ただしおまけがついてこないのが痛いところ。
M-AUDIO ( エムオーディオ ) / AIR 192|6 オーディオインターフェイス USB-C接続
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/269201/
こちらは上と同じM-Audio製のオーディオインターフェイスの上位版になり、楽器が二本同時に挿せるようになります。さらにおまけでAbleton Live Liteがついてきます。
ちなみに滝本はこのシリーズの最上位版のAIR 192|14を使っています。一度も不安定になることなく、音も良く、レイテンシーも低く、良い製品だと感じています。
IKMULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iRig HD 2
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/226724/
ギター/ベースに特化したオーディオインターフェイス。携帯に便利。おまけアプリでアンプシミュレータのAmplitube 5 SEがついてくる。
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett Solo (gen. 3) オーディオインターフェイス
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/263472/
音がいいと噂のフォーカスライト製品。ついてくるアプリが非常に豪華! DTMするならこれがいいかも。
STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR12 USBオーディオインターフェイス
おまけでCubase AIがついてくる。ボカロなどやってみたい人はこれがおすすめ。
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