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#音楽評論
interview BRIAN BENDER:ホセ・ジェイムズの右腕エンジニアと『Merry Christmas from Jose James』
ホセ・ジェイムズはUKでデビューし、ジャイルス・ピーターソンのレーベルBrownswoodから2枚のアルバムを発表。ヨーロッパや日本で人気を獲得してから、ヴァーヴで1枚出したのち、ブルーノートと契約し、2012年に傑作『No Beginning No End』をリリースし、その評価を一気に高めた逆輸入のアーティストだった。 そこからブルーノートから5枚をリリースしたのち、現在は自身のレーベルRainbow Blondeへと活動拠点を移し、2020年以降、すでに3枚のアルバム
interview Esperanza Spalding『SONGWRIGHTS APOTHECARY LAB』:音楽と科学、研究と表現、西洋と東洋を繋ぐチャレンジ
オレゴン州ワスコ、ポートランド、そしてニューヨークのローワー・マンハッタンで行われた癒しのための音楽実験の場「ソングライツ・アポセカリー・ラボ」にて音楽療法、神経科学、黒人音楽、イスラム 神秘主義、南インドのカーナティック音楽など様々な分野の専門家とのコラボで生まれた楽曲を収録。 前作『12リトル・スペルズ』からヒーリング・アートと音楽の関係の探求をスタートさせたエスペランサだが、今作では自身による研究のみならず、プロフェッショナル、研究者の指導の下に音楽を作りたいと思った
interview Camila Meza - カミラ・メサ:この世の中の、できる限り最高に美しいバージョンを作り出すことに関しては、誰だって貢献できるはず
※記事に合わせてプレイリストを作ったのでBGMにどうぞ。 2019年10月にヴォーカリストでギタリストのカミラ・メサのインタビュー(2度目)を行った。それは以下のリンクで公開している。 この時は彼女が同年にリリースした『Ambar』についての話をしてもらい、サウンドの話だけでなく、メッセージ性の強い楽曲をカヴァーした意図についても語ってもらった。 彼女の言葉の中では 「政府が真っ先に攻撃するのはいつもアーティストだった。アーティストは真実を語ってしまうし、会話の口火を
interview Camila Meza"Ambar" - カミラ・メサ:政府が真っ先に攻撃するのはアーティスト。アーティストは真実を語ってしまうし、会話の口火を切ろうとするから。
チリ出身のヴォーカリストでギタリストのカミラ・メサはダウンビート誌クリティック・ポール「Rising Star」にも名を連ねる現代ジャズ・シーン屈指のヴォーカリスト。何度も来日しているだけでなく、2019年にくるり主催の京都音楽博覧会に出演したこともあり、彼女のことをご存知の方も少なくないだろう。 これまでファビアン・アルマザンやライアン・ケバリーのアルバムで美しいアンサンブルの中の「楽器のひとつ」としてその声を響かせてきたカミラ・メサが自分自身のためにストリング・カルテッ
2020年のスタンダード・ナンバー:Sam Gendel『Satin Doll』とRafiq Bhatia『Standards, Vol.1』
■80年代以降のスタンダード・ナンバージャズの世界ではスタンダード・ナンバーと呼ばれる曲がある。 「枯葉」「いつか王子様が」「サマータイム」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「マイ・フェイバリット・シング」などなど、ジャズ・ミュージシャンのオリジナル曲から、ミュージカルや映画の名曲など、ジャズの世界で繰り返しカヴァーされて、定番曲となった曲のことだ。 ジャズ・ミュージシャンたちはそれらを繰り返しカヴァーし、多くの人が演奏してきた曲をどれだけ斬新なアレンジで、どれだけ斬新な
<COVID-19とジャズ>コロナ禍でもインディペンデントなシーンをエンパワーする「Bandcamp」の取り組み、のためのおすすめリスト
書きました。 ジャズミュージシャンの中にはCOVID-19以前からbandcampをドネーション的に使ってきた人たちがいたって話を書いてます。 ファビアン・アルマザンのレーベルBiophilia Recordsの音源をぜひ買ってサポートしてください。 ここでは補足として、SpotifyやAppleMusicになくて、bandcampで買える音源を紹介します。 ■Esperanza Spalding & Fred Hersch現代ジャズピアノに多大な影響力を持つピアニス
interview JTNC6:Mark De Clive-Lowe - 日本をルーツに持つジャズ・ミュージシャンがLAで作った日本をテーマにしたアルバム『Heritage』のこと
マーク・ド・クライブロウはウエスト・ロンドンのブロークンビーツ~クラブジャズのシーンのキーマンだった。(※マーク自身による以下の00年代ブロークンビーツの名曲を集めたプレイリストはそのシーンのど真ん中にいたからこそ作れる選曲で素晴らしい。) それが突如LAに移住。ジャズ・ミュージシャンとして活動を始めた。そこではUKで培ったクラブ・カルチャーとUSのライブ・カルチャーを組み合わせたイベント《Church》を立ち上げてシーンを活性化させたり、ドワイト・トリブルやハーヴィー・メ
interview JTNC6:Mark De Clive-Lowe - マーク・ド・クライブロウが語るLA音楽シーン
フライング・ロータスやカマシ・ワシントン、サンダーキャットなどなど、様々な才能がシーンを形作っているLAの音楽シーン。ブレインフィーダー~カマシ・ワシントン周辺の人脈については教師-教え子の関係などはJazz The New Chapterでも繰り返しリサーチしてきて、かなり見えてきた。一方で、NYに見られるようなライブハウスの状況や土地に紐づいたカルチャーはまだまだ見えてきていなかった。 『Jazz The New Chapter 6』ではそれについてマーク・ド・クライブ
interview Dayna Stephens - デイナ・スティーヴンス:自分の楽曲は、様々なアーティストによって語られ、歌われる「ストーリー」のようなもの
Jazz The New Chapterでは現代のジャズをより深く知るためにサックス奏者を取材し続けていて、5ではサックス特集をしっかりやりました。その中でもデイナ・スティーブンスにはいつか取材したいとずっと思っていました。 その理由は彼のサックスや作品が素晴らしいこともあるけど、理由はそれだけではなく、例えば、EWI(ウインドシンセサイザー:管楽器のように息を吹き込んで演奏するシンセサイザー)を吹いている現代ジャズ・シーンのサックス奏者としてEWIについて聞いてみたかった
Makaya McCraven - Universal Beings:Disc Review without Preparation
マカヤ・マクレイヴンの2019年作『Universal Beings』はNY、シカゴ、ロンドン、LAと分けた4部構成。このアルバムはこの年を代表する一枚であり、2010年代の重要作でもあると断言できる。 それぞれのセクションで、それぞれの地域に由来したメンバーとのセッションを行い、そこでは楽曲に関しても、現代のジャズの四ヶ所における地域性を示している。全てのセッションでドラムだけはマカヤが全て自分で叩いてて、それらの地域性や音楽性を的確に叩き分けて、溶け込んでいるのがまず驚
Interview Nitai Hershkovits : ソロピアノ『New Place Always』とニタイ・ハーシュコビッツのルーツのこと
ニタイ・ハーシュコビッツはイスラエルを代表するジャズピアニストの一人だ。 イスラエル国内でも高い評価を得た後に、イスラエル・ジャズの第一世代で、いち早くUSへ進出し、世界的な成功を収めた巨匠でもあるアヴィシャイ・コーエンのバンドの不動のピアニストだった天才シャイ・マエストロの後釜に就任したのがニタイだった。アヴィシャイの『Gently Disturbed』『Aurora』『Seven Seas』といった2000年代の傑作に大きな貢献をしていたシャイの不在をすぐに忘れさせてし