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ウイッカ&マジック☆タロットに影響を与えた人々

みなさんこんにちは☆
フォルトゥーナタロットの林エリヤです。
フォルトゥーナタロットや様々な占術で、皆さまと心願とを繋げて具現化していくメソッドを、シリーズでお送りしていきたいと思います。


タロットに影響を与えた重要人物10人

タロットの起源についてはこのブログでも以前にふれましたね。タロット起源には諸説あるのですが、2000年以上前にエジプトの神技やユダヤ教の秘術(魔術)に使用されていた説、1000年くらい前にインドからジプシーがヨーロッパに持ち込んだ説、はたまた中国のお札やかるたが由来という説など!?

しかし、有力な物証のある説としては10世紀以降アラブの商人やトルコの軍人がプレイングカード(ゲーム&ギャンブル?)に使用していたカードを真似て、14世紀ごろイタリアやフランスの貴族が、ルネッサンス期の画家に描かせて造ったのが、タロットカードやトランプカードが始まりというのが有力な説です。そこで、今回はタロットカードとタロット占いに影響を与えた、重要人物10人を紹介します。

■イタリア(ミラノ公国)ヴィスコンティ家

現代のタロットカードと同形式で、大アルカナと小アルカナ4種類のコートカードと数札で構成された現存する最古のカードは、イタリアのミラノ公国の貴族ヴィスコッティ家が所有していた、推定1428年(15世紀)ビスコッティ版タロットカードです。この頃は現在の大アルカナ22枚、小アルカナ56枚とキッチリ決まっていた訳でなく、大アルカナの枚数が違ったり、コートカードの構成が違ったりするのもあり、トランプカードとタロットカードの構成が違っているように、枚数もカード構成も様々なタロットカードがあったようです。

上で触れているように、イタリアだけでなく、フランスの貴族にもプレイングカードは流行しており、タロットカードやトランプカードと類似のカードは断片的ですが現存してるカードもあります。因みにこのイタリア・ミラノ公国のヴィスコンティ家は世界的に有名な映画監督のルキノ・ヴィスコンティ氏の祖先にあたります。

■アントワーヌ・クールド・ジュブラン(1725~1784)

18世紀のフランスでは皇帝ナポレオンのエジプト遠征で、ロゼッタストーンの発見もあり、空前のエジプトブームが起こっていました。これに便乗してか?フリーメイソンに所属していた、神学者のジュブランはタロットとは古代エジプトの神官が協議をひそかに伝えるために考案したものという説を主張しました。このことが19世紀以降の秘密結社(オカルト団体)やタロット占いに大きな影響を与えました。

■ジャン・バプティスタ・アリエット(エテイヤ)

18世紀のフランスでは、エジプトブームと一緒に空前の占いブームが訪れており、ルノルマンカードの語源になった、ナポレオン妃のお抱え占い師のマダム・ルノルマンもこの頃の人です。前述のクール・ド・ジェブランが提唱した「タロット起源エジプト説」に影響を受けたエテイヤは、従来のタロットを古代エジプト式に修正し1789年に史上初の占い専用タロット『エテイヤタロット』を製作しました。これが現在の膨大な種類の占い用タロットカードを生むきっかっけだったのです。

■エリファス・レヴィ(1810~1875)

19世紀フランスのオカルティストであるエリファス・レヴィは、それまでヨーロッパに伝わる魔術体系を理論的にまとめた書籍を出版した現代オカルトの父といわれる人物です。レヴィはタロットカードとユダヤ教の秘儀であるカバラ『生命の樹』の小径(パス)とタロットカードの22枚の大アルカナを対応させました。レヴィは自分ではタロットカードを作成しませんでしたが、レヴィのタロット=カバラ説は後にスイスのオカルティストであるオスワルド・ヴィルトによってオスワルド版タロットとして作成されました、これ以降レヴィのタロット=カバラ説を取り入れたタロットカードが数多く作成されています。

■マグレガー・メイザース(1854~1918)

現在の魔術、占術、スピリチュアル系に多大な影響を与えたイギリスの秘密結社『黄金の夜明け団』の創設メンバー3人の中の一人がマグレガー・メイザースです。メイザースはフランスに渡り、スピリチュアル界のゴッドマザーことブラバツキー夫人とも知己を得て魔術の研究に励み、イギリスにもどって『黄金の夜明け団』を結成しました。タロットカードを同団体のイニシエーション(儀式魔術)に取り入れたのもメイザースです。フランス帰りのメイザースは当初はマルセイユ版タロットを使用していたらしく、後にタロット=カバラ説に加えて西洋占星術の理論も対応させた、『黄金の夜明け団』独自のタロットカードを作成しました。このカードの復刻版がイスラエル・リガルディが発表した『ゴールデンドーンタロット』です。

■アーサー・エドワード・ウェイト(1867~1942)

現在、世界二大タロットカードと言われてており、日本では一番多く使用されているタロットカードがウェイト・ライダー版タロットカードと思われます。因みに二大タロットカードのもう一つはマルセイユ版タロットです。ウェイト版タロットを作画したのは、パメラ・コールマン・スミスというイギリス人のイラストレーターの女性です。

しかし、何故ウェイト・ライダー版タロットカードと言うの?思ったかたも多いと思います。ライダーというのは最初にウェイト版タロットカードを出版した出版社の社名です。当時は女性とイラストレーターの地位が低く、パメラ・コールマン・スミス氏は僅かなギャラでタロットカードを描いたようです。女性としてやるせない気分になりますね。これからは、ウェイト・スミス版タロットと呼びましょう。

■アレイスター・クロウリー(1875~1947)

20世紀最大の魔術師といわれるのがアレイスター・クロウリーです。クロウリーは自ら上で紹介しているエリファス・レヴィの生まれ変わりと自称しています。このように現在のオカルト&マジックに与えた影響は測り知れないものがあります。タロットカードに関しては、上で紹介した「タロット起源エジプト説」に直結した『トートタロット』を作成ししております。
 
その『トートタロット』の解説書である『トートの書』も出版しており、クロウリーは魔術以外にも東洋思想やゲーテの色彩論(心理学)などにも精通しており、わたしのようにタロットカード以外にも東洋占術やカラーセラピーなど複合的な鑑定をするかたは、『トートの書』は参考になると思いますよ。

■ジェラルド・ガードナー(1884~1964)

ウイッカ(魔女学)の父と呼ばれるのがジェラルド・ガードナーです。上で紹介した人物たちに比べるとタロットに影響を与えた部分は少ないかと思われますが、わたしが創った『フォルトゥーナタロット』は、ウイッカ(魔女学)がベースになっていますので、外せない重要人物です。ガードナーは上で紹介したアレイスター・クロウリーの最後の弟子と言われる人物なのですよ。イギリス税関の職員であったガードナーは、職員時代から熱心に魔術の研究をしており、クロウリーが晩年主催したオカルト団体『東方聖堂騎士団』に入会します。

このガードナーが入会して1年後にクロウリーは亡くなっていますので、これがクロウリー最後の弟子と言われる所以です。クロウリーは白魔術(ホワイトマジック)と黒魔術(ブラックマジック)両方を使いましたが、ガードナーはホワイトマジック(白魔術)のみを使用することをウイッカ(魔女学)の教義としました。現在のスピリチュアル系のホワイトマジックのみを使用する白魔女のイメージを創造したのもジェラルド・ガードナーの功績です。

The Pictorial Key to the Tarot(左)同・日本語翻訳本(右)

■アレクサンドリア木星王(1932~)

日本占術界のレジェンドでわたくしの師匠でもあるアレクサンドリア木星王も外せない人物です。木星王氏以前にもタロット占いをする占い師やタロットを紹介した書籍はありましたが、1970年代に一般にもタロットカードを分かり易く解説した書籍を数多く発表しのが木星王先生です。それまで、路上や個人宅で占いを受けるのが一般的だったのが、現在も続く複数の占い師から鑑定を受けられる『占い館』を世間一般に認知させたのも木星王氏が主宰する『魔女の家』です。

また、タロットカードの聖書(バイブル)といわれるアーサーエドワード・ウェイト著『The Pictorial Key to the Tarot』(上の写真)の翻訳本を出版したのもアレクサンドリア木星王です。もう一人の日本占術界のレジェンド浅野八郎先生は一昨年亡くなってしまわれたので、木星王先生にはこれからも長生きしてもらいたいです。

※私的特別番外人■アレハンドロ・ホドロフスキー(1929~)

『エルトポ』などカルト映画の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー氏がここに登場するのは、わたしが映画好きなのとタロットに少なからず関係する人物だからです。マルセイユ版タロットを使用する占い師のかたならご存知かと思いますが?ホドロフスキー氏はマルセイユ版カモワンタロットの共同復刻者です。マルセイユ版タロットは、どれも同じに見えますが、よく見ると少しづつ違っていて多くの種類があります。
 
上で紹介したイタリアのヴィスコンティ版タロットの頃は貴族が画家に手書きで造らせていました。13世紀半ば頃にアジアからヨーロッパに紙が伝わり、14世紀ころからヨーロッパで木版印刷が行われるようになりました。この木版印刷で15世紀ごろからマルセイユ版タロットカードが作成されるようになりました。これが現在のカードメーカーのはしりです。そのカードメーカーの一つカモワン家が作成したのがマルセイユ版カモワンタロットです。
 
話しかわって現在『砂の惑星(デューン)』シリーズが好調ですね。映画『砂の惑星(デューン)』は最初70年代にホドロフスキー氏が企画したんですよ。結局『砂の惑星(デューン)』は完成しませんでしたが、この時、特殊効果で『砂の惑星(デューン)』に参加していたのが現在はホラー映画の巨匠であるダン・オバノン監督です。ダン・オバノン監督は、映画『エイリアン』の企画者で『エイリアン』には一部『砂の惑星(デューン)』の特殊効果が流用されていて、『エイリアン』のクリーチャーデザイン担当のH・R・ギーガー氏は『砂の惑星(デューン)』にも参加しました。既存デザインから発表された『ギーガータロット』はマニアには有名ですね、さらに『砂の惑星(デューン)』には、画家のサルバトーレ・ダリ氏もキャスティング(出演予定)されていて、ダリ氏は自らダリタロットを作成しています。
 
前述のようにホドロフスキー氏は、カモワンタロットの復刻者ですのでタロットに関わる人物が『砂の惑星(デューン)』には三人もいた訳です。こういうのがシンクロニシティなのかな??そういえば、デビット・リンチ版『砂の惑星』には、アルバム『シンクロニシティ』で有名なポリスのスティングが出演していましたね。冒頭のヴィスコンティ家しかり、なんだか怖いくらいのタロットと映画の連動(引きよせ)でした。

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