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コミュニティでVOCを生み出すには?「変化球のテーマ」でファンの声を発散!

企業活動の健康診断へのVOC活用

こんにちは。イーライフのアドバイザー水野です。
突然ですが、みなさんはご自身で健康診断🩺を受けていらっしゃいますか?からだの不調を感じたら市販薬💊を飲んだり、症状が悪化すれば通院🏥したりしますよね。
そうなる前、予兆を感じたタイミングでの検査や、人間ドックのような1年おきの定期検査を受けることが肝心だと思います。

企業も同様で、各活動の効果を確認するために、さまざまな評価が行われますね。
代表的なのが決算。売上高や利益など、数字として表れる結果💹で、企業の健康状態が評価されることになります。

では、商品開発やマーケティング、営業といったそれぞれの企業活動の評価としての「健康診断」はどのように行っていますか?

こちらも、ひとつひとつの活動と経営指標を結び付けて評価をすることが多いでしょう。しかし、定量的な数値だけでなく、その企業活動に関与したお客様をはじめとするステークホルダーの定性的な「声」も、時には健康診断🩺に活用できるのではないでしょうか。

お客様から声はVOC(Voice of Customer:顧客の声)と呼ばれ、商品やサービスの改良などに用いられることがあります。
わかりやすい例では、お客様相談の窓口に寄せられる、お問い合わせや苦情のとりまとめ。また、営業部門が日々の営業活動の中でお客様と交わした会話を営業日報などにまとめ、共有する方法も考えられます。

そして、企業コミュニティを運営している企業では、コミュニティ会員であるファンからの声も貴重なVOCとなります💡

企業コミュニティで得られるVOCの特徴

日々コミュニティに参加しているファンの声👪💬は、商品・サービスだけが接点である一般のお客様よりも好意的な場合が多いです。従って、各活動に対する苦情や不満といったマイナス面の声はお客様相談窓口から収集し、感想や前向きな改良点は企業コミュニティから収集するといった使い分けもできます。

企業コミュニティから得られるVOCについては「バイアスがかかっているのでは?」と懐疑的な意見も聞くこともありますが、私は決してそうでないと思っています。

確かに、その企業が好きで、商品やサービスに興味を持っている層の意見であることは間違いないのですが、深い信頼を築いた関係であればこその、あたたかい激励をいただけることが多いのです🥰
そこには嘘偽りはありません。

実際に、商品のモニター企画を行った際、コミュニティでお叱りのコメントをいただいたことがありました。
そのときのコメントも、一般のお客様のように否定的な単語だけが並ぶことはなく、「なぜダメか」という部分にまで踏み込んだ意見をいただき、商品の担当者の心に響いたようでした。

このように、企業コミュニティに参加しているファンは、企業側が抱える課題に対してアドバイスをもらえる心強いサポーター💪ともいえるのです。

ヒントになるVOCを生み出すのは「変化球のテーマ」から

マーケティングや商品開発では、新しいプロモーションや新商品のヒントを得るために、お客様がどのような悩みを持ち、課題に感じているかの情報収集が行われるでしょう。
企業コミュニティからのVOCも、この「課題」の発見に一役買ってくれます。
社内でも気づかない新たな発見を“ファンの声”から見つけ出すには、ちょっとした「コツ」があります。

そのコツとは、「テーマの発散」だと思います。

商品やサービスの機能自体を評価したい場合は、味やパッケージなどの好みや、商品・サービスの使い勝手を言葉にして選んでもらう(いわゆるアンケートに近い)方法をとると思います。
しかし、せっかくコミュニティから自由な発想の意見が得られるのに、アンケートと同じことをサイト上でおこなっても面白くありませんね。
コミュニティで、マーケティングに利用できるようなVOCを得るには、コミュニティのなかで議論が発散するようなテーマを投げかけるのがよいと思います。

アンケート方式を「直球のテーマ」と呼ぶのに対して、この発散を促す投げ掛けを「変化球のテーマ」と呼んでみたいと思います。

VOCを目的とする場合は、直球のテーマから少し軌道を変えて「変化球のテーマ」⚾を織り交ぜてみるとよいでしょう。

では「変化球のテーマ」とは、具体的にどういうイメージでしょうか?
例えば食品メーカーなら商品の食シーンの前にある調理行動🍳などをテーマにすることが考えられますよね。

具体例をひとつ。
マルハニチロのコミュニティ「Oishiine!!(おいしいね)」では、コミュニティ会員のQ&Aテーマで「時短」をとりあげ、マルハニチロ商品の簡単な活用方法を交えつつ、会員相互の会話のなかからユーザーが抱える調理への悩みを声として収集しています。

例えば、「火を使いたくない」「子どもの好き嫌いをなくすには」といった、商品機能とは少々離れた意識や行動を把握することもできるのです。

現在の厳しいマーケティング環境においては、商品やサービスに対する直接の接点(店舗の売り場やECサイトの商品ページ)だけでは、目立つことは難しいといわれています。似たような商品・サービスのなかから手に取ってもらうには、商品・サービスの機能面の価値だけでなく、周辺にストーリーを組み合わせるのが効果的です。
その周辺ストーリーを構築するためのヒントとして、コミュニティの「変化球のテーマ」⚾は有効だと思うのです✌

企業コミュニティの運営では、この⚾キャッチボール⚾を何度も繰り返し行うことが可能です。しかも、響かなかった球種と別の変化球を投げて反応を比較することもできます。コミュニティ運営のバリエーションも豊富になりますし、一石二鳥といえますね✨

「ちょっといい話」第7回まとめ

お客様の声(VOC)に耳を傾けることは、企業活動の健康診断🩺ともなる重要な取り組みです。企業コミュニティは、前向きな提案や意見を得られるだけでなく、企業の仮説を投げかけ、得られる反応からその検証ができる貴重な場といえます。
VOCが有効である可能性があるので、積極的に企業コミュニティの存在感を高め、「お客様の声」を還元していくことが大切なのではないでしょうか😀