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炎上が怖い!企業コミュニティにおけるリスク回避の方法とは?


「炎上」は過剰に恐れるべからず、ただし入念な準備が必要

こんにちは。イーライフのアドバイザー水野です。
SNSをはじめとするネットの各所で「炎上」に関するニュースが毎日のように報じられていますが、企業が運営するコミュニティも例外ではないですね。ひとつ対応を間違えると、企業の信頼を損ない、お客様の離反を招いてしまいます。

世の中で頻発する炎上案件を見ると、さまざまな価値観を持つ来訪者と企業側が双方向のコミュニケーションをとるのは、リスクと捉える向きもあるでしょう。このシリーズでは、企業コミュニティの「良い側面」を中心にお伝えしてきましたが、今回はそこに潜む「炎上リスク」についても言及してみたいと思います。

企業コミュニティのメリットと炎上のリスクを天秤にかけた場合、メリットのほうが大きく、過剰に恐れることはないというのが私の考えです。前職で運営に携わっていた「&KAGOME(アンドカゴメ)」もそうでしたし、様々なコミュニティの運営担当者からも、大きなトラブルが起きているとは聞きません。その企業に信頼を寄せた会員が集まる企業コミュニティならではなのでしょうか、小さなトラブルが起こったとしても、炎上に至ることは稀という印象です。

しかし、多種多様な属性を持った不特定の来訪者がコンテンツを閲覧することは事実で、その運営には入念なチェックや監視体制が求められます。炎上を回避するためには、具体的にどんな「準備」が必要なのでしょうか?

「やってはいけない」、基本的な「お作法」を守る

企業のデジタルマーケティングチャネルのなかで、企業コミュニティ以上にポピュラーなのがSNS公式アカウントですね。不特定の来訪者が集まりやすく、その属性も多種多様なSNSでは、よりシビアな炎上対策が求められます。

ネット記事には炎上対策を扱ったものも多く、これらを活用するのもおすすめです。今回は、私がよく参考にしている「Web担当者Forum」の特集記事をご紹介しますね。

記事内には、「SNS投稿前チェックリスト<表現編>」「SNS投稿前チェックリスト<内容編>」が公開されています。法令順守や内容の正確さなど基本的な項目もありますが、企業コミュニティ運営において特に参考にしたいのが、<内容編>にある「炎上しやすいトピックを含んでいないか」です。避けるべき5つのテーマとして、「炎上さ・し・す・せ・そ」なるキーワードも紹介されています。

図:炎上さ・し・す・せ・そ

「もしも・・」の事態を早期に収束させるための体制を整える

企画や記事の内容に細心の注意を払ったとしても、実際の運用において何が起こるかはわかりません。不測の事態が発生した際には、できるだけ早く原因を取り除かなければいけません。

とはいえ、急ぐあまりに誤った対処をしてしまうと、その対処に対しての二次炎上が起こってしまうのも、ネット上のコミュニケーションの怖いところです。したがって、迅速に対処するための監視やチェック、専門的なアドバイスしてくれる支援体制を整えるのが大切となります。

具体的には、企画段階やWeb記事制作時の内容確認です。避けるべきテーマが含まれていないかをコミュニティの運営部門が確認するのはもちろんのこと、品質保証部門、リスク対応部門にチェックを依頼するプロセスをあらかじめ決めておくとよいでしょう。技術的な内容や法的根拠など、専門的な知見が必要であれば、法務部門や社外の弁護士事務所なども想定しておくと安心です。

また、実際の運用において、会員同士のコメント投稿で諍いが起きた場合は、速やかにそれを検知して、仲裁するなどの処置が必要になります。社内の体制だけで賄えない時は、外部に運用支援を依頼するのもひとつの手です。また、社内にお客様対応の部門があれば、その部門に相談できるような体制を作っておくのも有効です。企業活動のなかでは、お客様からさまざまな相談やクレームが寄せられます。日々、これらの対応を専門的に行うお客様対応部門は、大きな支えとなるでしょう。

図:社内外の専門家を確保する

多様な価値観を持ったメンバーへ意見を求める


企業コミュニティの企画段階やWeb記事制作時において、私が大切にしていたチェックプロセスがあります。それは、「属性や考えの異なるメンバーに確認と意見を求める」ことです。企業マーケティングの進め方の王道は、そのマーケティングの目的が定める「ターゲット」に対して、正しく価値発信することだと思います。

しかし、企業コミュニティ内の記事やコメントを閲覧するのは、ターゲット層だけではありません。そのため、企画段階や記事制作段階で、できるだけ多くの人によって確認することがカギとなります。立ち話やチャット程度でも構わないので、自身のグループの上長や同僚、社内の仲の良い仲間などに目を通してもらうとよいでしょう。

また、相談を受けたメンバーも「私、ターゲットじゃないし」と、遠慮してはいけません。気づいた点をどんどん伝えてあげることが重要です。相談する側とされる側、どちらの立場であっても、ネットの世界では「何が起こるかわからない」ことをしっかりと認識し、リスク回避に繋げたいですね。

「企業コミュニティQ&A」第8回まとめ

私が前職で運営に携わった「&KAGOME(アンドカゴメ)」は、2015年にスタートしました。当時はSNSを用いたマーケティングが盛んに行われていて、中には勇み足の企画もあり、炎上案件は多発していました。振り返ってみると、そんな状況のなかでコミュニティを立ち上げることに、社内からは不安の声も上がっていました。

立ち上げにあたっては、監視やチェックを各部門にお願いし、体制万全で臨みました。おかげで大きなトラブルも起こらず、安堵したのを覚えています。この入念な準備がよかったのか、その後にいくつか起こった小さなトラブルも、社内外から協力を得てスムーズに乗り越えることができました。近年でもネット炎上は至るところで起こっており、そのたびにさまざまな場面を想定した入念な準備が重要だということを感じています。

次回もお楽しみに。