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山口県長門に移住する(19): リノベ断念
F氏から譲り受けた土地に
アパートが建っていたことは、以前書いた。
関西人が文化住宅と呼ぶ、洋風長屋の建物。
1階と2階に4部屋ずつ。
ドアの色が、青と黄に交互に塗られ、
55年前に建った当時は、
さぞかし洒落たアパートに見えただろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1717539499872-YBPzONfG2K.jpg?width=1200)
立地もいい。
開けた南面には、大寧寺川が流れている。
大小の岩の形に風情があって、
岩の間を流れる水は透明。
暑い日には、子供達が川遊びをする
はしゃいだ声が聞こえてくる。
土地は、不整形の三角形。
奥に行くほどに狭くなって、景観が良くなる。
川向こうには、青々とした山があって、
春には、椿や桜が咲く。
夏は、サルスベリのピンクの花が咲く。
![](https://assets.st-note.com/img/1717539543159-nFi7J7Nd3x.jpg?width=1200)
このアパートをリノベーションするつもりだった。
が、結局断念した。
単なるリノベではなくて、
築55年の、安普請の木造2階建てを、
パッシブハウス並の高気密高断熱の建物に
リノベーションしたかった。
「止めといた方が良い」、
と、多くの方に言われた。
でも、やりたかった。
「できないことはない」
と、リノベの専門家は仰ったので、
その言葉を力に、自分でも色々調べてみたが、
「開けてみないと分からない」
リノベの未知の部分の大きさに、音を上げた。
どれくらい時間がかかって、
どれほどの費用がかかるのか、予想がつかない。
あまりにも、ハードルが高すぎる。
結局、解体、新築を選んだ。
家を崩す、ということは、
その土地と家が刻んできた歴史に、
ピリオドを打つ、ということだ。
そんなことを、私がしても良いのだろうか?
解体が始まるまで、ずっと考えていた。
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