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13. 山口県長門湯本に移住する(7):車の騒音がない暮らし
夏至が近づいて、朝、4時半頃には、
もう、外が明るくなってくる。
朝の掃除を済ましたら、
珈琲を持って、内庭のテーブルで作業する。
ジュリアーノも一緒。
![](https://assets.st-note.com/img/1716502195477-WdGWbxhy3o.jpg?width=1200)
6時前になると、
丘の上にある住吉神社から、
太鼓と鐘を打つ音が聞こえてくる。
住職さんの朝の日課だ。
「木村さん、おはようございます。今日もお元気で何より」
と、丘に向かってご挨拶するのが、私の日課。
庭で書き物をしたり、本を読んだりしていると、
聞こえてくるのは、鳥のさえずりと、風の音、
かすかな音信川(おとずれがわ)のせせらぎ。
車は、時たま、通るだけ。
車の騒音がない暮らしは、心が安まる。
湯本暮らしが、好きな大きな理由だ。
長く暮らしたジュネーブは、
レマン湖がすぐそばで、
大きな公園もたくさんあって、
素晴らしい環境だったけど、
どこにいても、車の音が聞こえた。
ヌシャテルの田舎に引っ越して、
車の騒音のない生活になった。
窓から見えるのは、草原と、馬と、ポニーだけ。
時たま、犬を連れて散歩する人はいても、
車は通らない。唯一の例外は家主さんの車。
その後暮らした、イギリスのブリストルは、
車であふれるまちだった。
公害も酷くて、自転車で大学に通うことを
諦めざるをえない程だった。
自宅は、閑静な住宅街にあったけど、
一歩外に出れば、路上駐車の車であふれていた。
湯本は静かだ。
自然の音が、良く聞こえる。
春先には、ウグイスが鳴き始める。
最初は、ホントに、下手くそだ。
鳴き声に聞き惚れる、というより、
笑いこける。
春爛漫になる頃には、
随分上手になって、
「ブラボー!」と、つい、拍手する。
梅雨に入りつつあるこの頃は、
ウグイスもベテラン歌手になり、
完璧なメロディーでさえずってる。
彼らの舞台も、もうすぐ幕を引く。
近頃は、夕方になると、
音信川で、カジカガエルが歌ってる。
カエルなのに(失礼!)、ナンテ美しい鳴き声。
毎年、感動する。
夏は、セミさん達の大合唱、
ミンミンゼミは、喉、大丈夫?
と、気の毒になるくらいシャウトする。
晩夏には、ヒグラシが登壇。
切ない鳴き声が、空間を埋めて、
ああ、夏もおわりだなぁ、と思う。
(冒頭の写真は、朝ご飯のフルーツポリッジ)
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