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山口県長門に移住する(25):土地と人の相性

訪れたこともない長門市湯本に暮らそうと、
「直観」で決めた。

それから、初めて湯本を訪れて、
「直感」で、いいな、住みたいな、と思った。

あれから、3年余り。
長門湯本に暮らすことにして良かった、
と、つくづく思う。
相性が良かったのだろう。

直観で決めて正解だった。

ここぞ、という肝心な場面で、
どうしたら良いか分からないとき、
直観を信じろ
と、ビジネス書に書いてあったりする。

「本能」は、ホルモンとかの生物的な要因が、
「直感」は、感覚が支配する。
「直観」は、その人の経験と知識に基づいた、
勘、センス。

私は、ものすごく大雑把な人間なので、
グズグズ考えることが、苦手だ。
直感や直観で物事を決めることが多い。

失敗することもよくある。
でも、後悔することは、あまりない。

20代の終わりに、東京で1年半ほど暮らした。
その時は、理屈で東京暮らしを決めた。
語学留学したイギリスから帰国直後だったので、
外資系会社の多い東京に住もう!と理詰めで考えたから。

運良く、イギリスで知り合ったご夫婦が、
旧恵比寿工場前の億ションの一室を
ものすごく安い家賃で貸して下さった。

暮らし始めて一ヶ月足らずで、
外資系会社への就職も決まった。
ラッシュの電車に乗らずとも、
西麻布の勤め先まで歩いていける。

仕事は、商品開発コーディネーター。
ものすごく面白かったし、待遇も良かった。
ビジネスクラスで、何度もアメリカ出張をして、
研修、という名目で、美術館巡りをしたりした。

なのに、私はシアワセではなかった。
東京、と相性が合わなかった。

それから、スイスに移住して、
半年も経たないうちに、
スイスが私のまちになった。
相性が合ったのだ。

ローザンヌも、ジュネーブも良かったけど、
最後に暮らしたヌシャテルの田舎が、
一番しっくりした。

田舎なら、どこでも相性が良いのか、
というと、そうでもないらしい。

山陽の田舎や、関東の田園風景を見ても、
ときめかない。

ときめくのは、
この辺りの低い連山や、綠のグラデーション、
石州瓦の赤い屋根、椎の花のむせるような香り。

貴方が直観で、
相性の良いと思う土地は、どんなところ?

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