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4. 初めての海外旅行

初めての海外旅行は、1985年、中国ひとり旅。
香港経由で、中国に入り、広州、蘇州、上海を回った。

その頃の中国は、車より、自転車が遙かに多く、
外国人は人民元ではなく、
外貨兌換(だかん)券に両替をしなければならなかった。

買いたい品物が、お店の棚の上にあっても、
「ないよ!」と言われることが度々あった。
売る気がないのだ。

全ての人が国家公務員で、
頑張っても、頑張らなくても、お給料は同じ。
惰性で、つまらなそうに働いている人が多いように見えた。

最初は嫌がらせをされているのかと思ったけど、
そうではないようで、「そこに、あるやん!」と、
抗議することが客の礼儀であることを後に知った。

「お客様は神様」の日本とは、真逆の世界。

面白かったのは、伝統の竹製品や、陶器が、
お店の隅に追いやられ、二束三文で売られているのに、
プラスチックのボールやザルが、
ショーウインドウを飾っていることだった。
値段も高い。当時、中国では、プラスチックは高級品だった。

感激したのは、ご飯の美味しさ。
決して清潔とはいえないお店に恐る恐る入り、
メニューに書かれた漢字から、料理を想像して注文する。

お店のお箸は、衛生上よろしくない、と
「地球の歩き方」にあったので、
持参した割り箸でいただく。

ま〜、美味しい!
美味しい、美味しい!と食べていたら、
一番下に鴨の足があって、のけぞったこともあった。

蒸し饅頭、揚げたての油条、ピータンのお粥など、
朝ご飯系が好きで、朝からガッツリ、
1日4食ほど食べてた。
若かったなぁ。

当時は、バックパックを背負って、
「地球の歩き方」を片手に旅することが流行始めた頃。
西欧圏に行く人が多かったけど、私は断然アジアが好きだった。
今振り返ってみると、ただ単に、ご飯が美味しいから、
という理由だったかも知れない(笑)。

その後、イギリスやスイスで暮らすようになって、
食の貧しさ、まずさに辟易することになる。

アジアの食は偉大だ!

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