見出し画像

悪なき殺人/コラン・ニエル/訳:田中裕子

吹雪の夜、フランスの山間の町でエヴリーヌという女性が殺害された。事件に関係していたのは、人嫌いの農夫ジョゼフ、彼と不倫関係にあったアリス、そしてネット上で知った女に恋い焦がれるアリスの夫ミシェル、デザイナー志望の若い娘マリベという、それぞれに秘密を抱えた4人の男女。各人の視点から描かれる報われない愛への執着の物語は、遠く西アフリカに住む詐欺師の青年の物語と結びつき、不可解な殺人事件の真相を明らかにしていく――。
映画化作品が東京国際映画祭で高評を得た、圧巻のフランス産最先端サスペンス。

相関図

【感想】
フランスの山の中,女性が殺害される。農夫と不倫相手のソーシャルワーカー,その夫はネットの女性に熱を上げ,一方では殺された女性と関係する若い女性。それぞれの視点から語られる構成で,実に妙な小説。これはどこでどう繋がるんだろうな?という興味で最後まで。ふーん,こうなるかと。ネット詐欺という今時の話と,雪山の殺人がイメージとしてなかなか結びつかないが。大してクライマックスもないが,悪くはない。映画になっているらしい。あぁ,フランスの作家の作品だとこういう終わり方もするかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?