#012 ElevationSpaceのお仕事紹介~電気系エンジニア編~|ElevationSpaceの『宇宙、配信中。』
ElevationSpaceの『宇宙、配信中」は、プレスリリースやイベントでは伝えきれないディープな情報を、社内外の様々なメンバーと楽しくお届けするポッドキャスト番組です!
ElevationSpaceでは、現在エンジニアを積極採用中!
今回は、ElevationSpaceで実際に働く社員の中から、「電気系」チームをピックアップして、仕事内容や募集中のポジションなどについてお話しいただきました。
インタビュアーは経理の松田です。
ー まずは簡単に自己紹介をお願いします。
山田
電気系でディレクターをしています山田です。社内では「建さん」と呼ばれています。
直近の前職はIT業界でAI開発をしてたんですけども、前々々職で、大手電気メーカーで衛星開発をやっておりまして、そこでは主に衛星の制御装置の電気設計を担当していました。よろしくお願いします。
米津
コミュニケーションシステムのマネージャーをしている米津です。
転職前は、私も大手電機メーカーで、衛星コンポーネントのデジタル回路やアナログ回路、あとはアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナという、最近よく聞く「合成開口レーダー(SAR)」でも使われている特徴的なデジタルアンテナの開発などに携わっていました。
佐藤
電気系でエンジニアをしております佐藤です。皆さんからはサトロンと呼ばれています。
私は、電気系の中でも姿勢軌道制御系を担当しております。
ElevationSpaceに入社する前は、ElevationSpace共同創業者でもある東北大学の桒原准教授の研究室に所属しておりまして、学部学生のころから超小型人工衛星の開発をしてきました。その中で、姿勢軌道制御系を研究分野として担当し、博士号の取得を経てElevationSpaceに入社しました。
「電気系」とはそもそも?
― では早速、衛星開発において「電気系」のお仕事が具体的にどのような役割を果たすのか、実際の皆さんの業務内容も含めて教えてください。
山田
人工衛星というのは、簡単に言えば電化製品で、電源を得ないといけません。
そのため、太陽電池であったり、それを充電、保存するためのバッテリーを搭載します。
また、人工衛星を制御するためのアクチュエーター、動力ですね。それに基づくセンサーをつけたり、地上と通信する必要があるので通信機も必要になります。また、それらを統合して制御するための計算機、機器類を繋ぐケーブルといったものの開発も全て電気系で担当しています。
「人工衛星」というと、すごく難しそうなイメージを持たれるかもしれないんですが、簡単に言えば、太陽電池で動くおもちゃなんです。
その中で、私の主な仕事は、
電気回路の設計や、電気回路の中に搭載しているFPGA(Field Programmable Gate Array、書き換え可能な大規模集積回路)の設計、その他計算機や機器類をつなぐケーブルの設計や、設計を外部業者さんに依頼する際のやりとりを担当しています。
そして何より、みんなが気持ちよく働けるような雰囲気作りを意識して業務しています。
佐藤
冒頭でお話しした通り、私の担当は「姿勢軌道制御」なんですが、これは、人工衛星が今飛行している経路や、人工衛星が向いている向きなどを検出するセンサー、人工衛星の動きを生み出し制御するアクチュエーターといったものを取り扱っています。
センサーやアクチュエーターを組み合わせてアルゴリズムを組んで計算するオンボードコンピューターの開発もしますし、センサー、アクチュエーター、コンピューターの検証を行うという業務もあります。
ElevationSpaceが作っている人工衛星は、カプセルを大気圏に制御再突入させて、海上の決められた場所に着水させる計画ですので、落下する軌道を解析したり、その軌道に衛星を誘導して制御する、そういったアルゴリズムを設計、検討するのも私の仕事です。
ー 電気系の仕事は、衛星開発においてとても幅広い部分に関わるんですね。
山田
そうですね。
衛星から地上にデータを受けて、衛星を正しくコントロールする、というのが全て、電気系の仕事範囲と言えると思います。
ー 米津さんはどういったお仕事をされているんですか?
米津
私は、衛星のTTC系(Telemetry, Tracking, and Command)の、衛星の通信周りの設計開発を全般的に担当しています。
「通信周り」といってもイメージしにくいかもしれないんですが、電気回路的なところから、あとはRF(高周波回路)のところで、アンテナや通信の特性を検証・開発しています。
また、重要な仕事として、衛星が通信をするためには省庁などと調整を行う必要がありまして、地上局の免許申請の対応をしていたり、地上局担当のエンジニアがまだいないため、そちらの開発・検討も兼任しています。
スタートアップならではの課題は?
ー ElevationSpace自体が若い会社ということもありますが、開発の現場においても様々な課題があると思います。電気系として何か課題に感じていることはありますか?
山田
そうですね。先ほどご説明したように、電気系って非常に多岐に渡る業務があるんですが、それをこなすだけの人員がいないというのは課題です。
今日参加してるサトロンさんや米津さんも、それぞれ制御や通信のエキスパートで、他にも組み込みソフトウェアのエキスパートや、電源関連のエキスパートの方がいらっしゃるんですが、逆に言うと今はそれしかいないんです。
先ほど地上局の話もありましたが、今いるメンバーが専門外の領域も含めて担っている状態なので、これらをサポートしてくださる方・新たな技術を持っている方にジョインしていただけたらと思っています。
米津
私も、基本的には建さんからのコメントに同意です。
別の視点でお話しすると、電気系の仕事って、衛星開発の中でも、対外的には結構地味な仕事というか…(笑)
再突入だったら海に落としたり、対外的に映えるような試験もあったりするんですが、電気系の試験って室内で終わってしまうようなものなんです…
なので、なかなか一般の方には、電気設計の重要性などをアピールしにくいために、人が集まらなかったり、宇宙や衛星業界の外側の方に対して、電気系の仕事を伝えにくいという課題は感じています。
今日のこの配信でそういった課題も解決できればいいなと思っています。
👇「対外的に映える試験」の一例
宇宙業界経験者でないと電気系は難しい?
ー ElevationSpaceに限った話ではないかもしれませんが、人員の不足というのは大きな課題ということですね。特に宇宙や衛星開発関連の業務経験をお持ちの方は非常に少ないという現状もあります。
ElevationSpaceには異業種から転職して活躍されているメンバーも多数いらっしゃいますが、特に電気系の業務において、関連しそうな業界・業務経験というのはあるんでしょうか?
米津
基本的にはどんな業界の方でも、電気・電子、情報分野に携わっている方であれば、人工衛星の電気系にもつながってくるのかなと思います。
と言うのも、冒頭で建さんが話したように、衛星は平たく言えば家電製品で、かつインフラでもあるので、細かい要素に分解していくと、ソフトウェア、デジタル回路、アナログ回路、ネットワーク、無線通信、電源、半導体といったキーワードになっていくんですね。
電気信号を扱うあらゆるものが入っているんだなと想像いただけると思います。
普段電気関係のお仕事をしている方なら、業界を問わずおそらくどれかのキーワードには当てはまると思うので、あらゆる業界の方にチャレンジいただけると考えています。
山田
サトロンさんがやっている「姿勢軌道制御」となると、かなり特殊な分野になってしまいますが、電気系全般で言えば、米津さんの言ったとおりです。
「宇宙特有なもの」って部品ぐらいなんですが、それも最近は民生部品をどんどん活用しています。
ですので、電気系関係でお仕事されている方であれば、航空宇宙業界はもとより、自動車であったり、工場のFA機器であったり、家電であったり、ゲーム業界やファッション業界など…あらゆる業界から応募いただければと思っています。
お客様のニーズに応えながら、チャレンジングなものづくりに取り組む
ー 大学から直接入社したサトロンさんとして、「研究者としての衛星開発」と、「企業としての衛星開発」に違いがあれば教えていただけますか?
佐藤
「衛星を開発する」という同じ取り組みでも、重要視する内容が違う、というのはあるかもしれません。
大学は研究機関なので、全く新しいアイデアを生み出したり、それを実現して研究成果として世界に広く公表したり、そういったことが重要視されます。
失敗を恐れず、まずはチャレンジするという精神は、大学や研究機関に浸透しているのかなと感じています。
一方、ElevationSpaceのような民間企業が大学と違う点としては、お客様のニーズに応えるようなものを生み出すことが重要というところです。
また、事業活動ですので、利益を追求することも必要ですし、業務効率なども考えながら衛星開発をしていく…そういった重要視する観点が違うなと感じています。
ただ、ElevationSpaceはスタートアップ企業でもありますので、大学で重視されるようなチャレンジ精神や、最新のアイデアを実現する・研究成果を発揮するといったこともできるというのは大きな特徴だと思います。
インターン生が大活躍する電気系業務
ー 先日、社内だけではどうしても手が足りないという局面があり、インターン生にかなりがっつり業務をしていただいたと思います。これからもインターン生が活躍する機会はあるでしょうか?
山田
はい、3月にインターン生の方4名に来ていただいて、衛星に大量に必要になるケーブルの図面作成をやっていただきました。
小林社長がSNSで「募集中」って流したら、あっという間に4人来ていただいて、その中には電気系の専攻でない学生さんもいたんですが、皆さん本当に優秀で…
あっという間に図面100枚を作成していただきまして、本当にありがたかったです。
山田
電気系に限らず、なんなら理系に限らず、様々な活躍機会があると思いますので、ぜひお手伝いいただければ大変ありがたく思います。
息の長い宇宙の仕事を続けていく秘訣
ー 少し話が変わるんですが、ElevationSpaceではリモート勤務やフルフレックス勤務を導入しています。エンジニアの皆さんの普段の働き方について教えてください。
米津
私は週1、2回ぐらいリモートで勤務しています。
個人的には毎日リモートで勤務したほうが、通勤時間ももったいないのでいいかなとは思うんですが、製造や試験など、リモートでできない仕事もあるので、週1、2回というペースです。
時間としては、4月ぐらいまでは朝11時ぐらいに出勤して、夜10時ぐらいに帰るみたいな生活だったんですが、最近は朝6時台に来て、夜の6時ぐらいに帰る感じで、好きなように時間も気にせず勤務してます。(笑)
佐藤
私は基本毎日会社に来て仕事をしています。
仕事場が自宅から近いというのもありますが、電気系だと、実際のハードウェアを触って検証や試験を行うといったことが多々あって現場作業が多いので、基本出社という形です。
ー 建さんには、管理職の立場で、働き方やリモート勤務時の管理のコツなどお聞きできますか?
山田
私自身は基本毎日出社していまして、現場作業があるという理由もありますが、メンバーとすぐに会話できる・情報交換できるという点で、出社しているほうがスピード感が出せると感じています。
ただ、たまにリモートもしますので、そこは使い分けかなと思っています。
電気系メンバー全員、割と各自自由にしていただいてるんですけど、重要なのはアウトプットだと思いますので、皆さんきちんと成果を出したうえで自由な働き方をしていらっしゃるので、特に管理が難しいということもなく、コミュニケーションを取りながら業務を進められていると考えています。
また、衛星開発って開発期間が数年間に及ぶような息の長いプロジェクトなので、マラソンみたいなものなんですよね。
自分のスタイルを確立して、無理なく働けることが大事だと思っています。
突然始まるマラソン部部長の勧誘
山田
「マラソン」といえば、弊社はマラソンがすごく盛んな会社でして、ここに今日参加してる皆さんも全員ランナーです。
ハーフマラソンからフルマラソン、女性の社員で今年フルマラソンに挑戦しようかという方もいらっしゃいますので、もし弊社に興味をお持ちの方は、ぜひ走るほうでも興味を持って入っていただけると幸いです。
松田さん、走るのどうですか。(笑)
ー 僕も走るのは好きです。(笑)
開催が仙台だったので参加できなかったんですけど、次回は参加しようかなと思ってます!
最後に、現在募集中のポジションについて教えてください。
山田
募集として公開しているのは、
電源周り(Electric Power Engineer)と組み込みソフトウェア(Embedded Software Engineer)、あと地上システム(Ground System Engineer / Manager)です。
また、まだ公開できていないポジションなんですが、今、大規模FPGAの設計のスペシャリストを求めておりまして、そのようなスキルを持つ方はエントリーしていただけると大変ありがたいです。
ー 山田さん、米津さん、佐藤さん、本日はありがとうございました。
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