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根津美術館が凄い。

根津美術館が最高だった。

学生の入場料1300円少し高いかな。
そんなことを思いながら、入口でもたもたしていた。
正直、建築だけで相当いいんだよね。
でも大満足でした。

雨が滴る日本庭園

根津美術館にある日本庭園

根津美術館には日本庭園がある。
そんなに広くなさそうに見えて、意外と時間をかけて回る。
山の一部を再現したかのように丘陵となっている。
いろんな形の石の階段があり、そこを歩いているのが、リズム感がありとても楽しい。

川が流れ、池があり、お堂や茶室がある。
紅葉を眺めながら石橋を渡る。
ところどころに仏像があり、なんとなく身が引き締まる。
雨が降っていたが、周りの都会から隔絶されたかような空間で不思議な気分になる。

異国情緒のある外国人観光客たちが、日本庭園によく映える。

少し二日酔い気味で、昨夜に元恋人がいる飲み会があって、いろいろ感傷的な気分にもなってしまっていたからさ。
余計に没頭できた。

どうでもいいようなことを考えながら、池をゆったりと泳ぐ錦鯉を眺めていた。
しとしとと雨が降っていた。

金色の屏風絵の世界

根津美術館HPより

日本庭園を後にして、和モダンの洗練されている美術館内部に戻る。
ちなみにこの素晴らしい美術館を設計したのは隈研吾である。

襖絵の展示へと進む。
企画展だ。
僕は企画展の内容とかなんにも気にせずにきた。

だけど、涙腺が緩むくらい感動した。

金色の背景に、ひゅるりと生えた緑の松の木、日本の青い海の流れ、ひょうきんな時代の人たち。
桃源郷か、天国か、そんな錯覚を起こすくらい。

根津美術館の展示室の雰囲気とライティングが作品に集中させる。
本当に美しい。

それほど大きい美術館とは言えないんだけど、庭園と作品に没頭して何時間でもいられるような充実感を与える。

静寂で無駄なものを排除した空間で、瞑想をしているように心が穏やかになる。

若い大学生くらいの女性や白人女性たちが、じっくりと古い日本の絵を鑑賞している様がとても画になった。

工芸品に世界を閉じ込める

根津美術館HPより

常設展もすごく良い。

古い工芸の数々。
日本のものに限らず、異国のものの展示も多い。

1つの工芸品に、細かい彫刻でひとつの世界を表現したかのような。
石や金属という素材にどうしてあれほどまでに細かな紋様をほどこせるのか。

動物たちがひとつの品物のなかに存在している。
現代に生きる僕から見たら少し奇異に映るような容姿の動物も見られた。

清朝時計という数世紀前に造られたイギリスの時計も素晴らしい。
1つの時計が荘厳美麗な教会の建築を表しているかのような。

閉館時間までじっくりと鑑賞していた。
暗い部屋で違う時代の違う世界のことを、どこまでも想像した。