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6月11日、韓屋の悪夢。

※ 掲載している情報はすべて2016年時点のものです。詳しくはこちら

夕暮れの地上2階

光州から大邱は、高速バスで約3時間。チケットは₩19,200。

光州は1泊2日だったが、大邱は4泊5日。少し長めの滞在。本格的に旅が始まった感じがする。

大邱に到着し、まずは予約していたゲストハウスへ。今回はAirbnbではなく、Booking.comを利用。伝統的な韓屋(한옥:ハノク)を活用した宿泊施設をセレクト。繁華街やターミナルから少し遠いけれど、その価値はあるだろう。楽しみ。

韓国の主要都市にはメトロが走っている。基本的には地下を走っているのだが、大邱の3号線は地上2階くらいのところにあって、まるでモノレールのようだ。

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ずっと向こうに橋が見える。あそこで夜明けを見てみたいな。西のほうには、大邱のシンボル「83タワー(83타워:パルサムタウォ)」が見える。あそこにも行かなきゃ。

最寄りの駅に着き、15分弱歩いて、ゲストハウスに到着。迎えてくれたオーナーは気のよさそうな男性だった。

ロの字型の韓屋。エントランスから真向かいに私の部屋。2段ベッドが2つ。誰の荷物もないけれど、もしかしたら誰かと相部屋になるかも。

ゲストハウスのまわりには特に何もなかったので、荷物を置いて、バスで繁華街へ向かうことにした。

エンターテインメントの神髄

大邱の繁華街は、大邱駅から南へ伸びている中央路(중앙로:チュンアンロ)、それと並行する東城路(동성로:トンソンロ)だ。

光州よりも圧倒的に賑やかで、スケールも大きい。さすが、ソウル、釜山に続く”韓国第3のゲートウェイ”。

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H&M、innisfree、the saem、ETUDE HOUSE、SPAO……見慣れたお店もたくさんある。ベンチでは、若者がカフェのプラスチックカップ片手に笑い合っている。

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この街で生きている人たちの日常。彼らの、いつも通りの普通の夜。

中央路で、ストリートパフォーマンスを見る。3人組の男の子。ボーカル、アコギ、バケツのドラムという編成。演奏、めっちゃうまい。すごい人だかり。何を言っているかはわからないけれど、とにかく盛り上がっている。

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エンターテインする力は、とても重要だ。

アーティストだけじゃない。この社会では、おそらく多くの人が、仕事を通じて何かしらのモノづくりに携わっている。そういう意味では、誰にとっても、誰かをエンターテインする力は必要なものだ。

それは、ただ"楽しませる"ことだけではないと思う。それは、”誰かのものになってあげられる”能力だ。誰かにとっての「私のための歌」や「私のためのサービス」を創造するということだからだ。

はやくベーシックインカムが制定されて、保身のために仕事をする人が去って、もっと純度の高い創造の時代がくればいいのに。

オーナーから"ガン無視"

ストリートパフォーマーに僅かながらチップを残し、バスに乗る。ゲストハウスに着いたのは23:00ごろ。とっとと寝よう――と思ったが、ここでちょっとした事件が起きた。

エントランスの前に立ったとき、「なんだか賑やかだな」と感じた。明らかに、ゲストハウスのなかからだ。

パスコードを入力し、足を踏み入れる。その瞬間、状況を把握した。

韓屋の中央スペースは庭のようになっているのだが、そこでバーベキュー・パーティーが開催されていたのである。オーナーと、おそらく彼の友人、合計10人ほど。

あんなににぎやかだったのに、彼らは私を見た瞬間、シーンと静まり返った。自意識過剰かもしれないが、それは「誰、こいつ」という冷たい目線だった。

日本人的反射というのか、一応笑顔で「Hi」挨拶してみる。でも、あたりはシーンとしている。ガン無視。オーナーも。あんたは違うだろ。

韓屋自体の規模が小さいので、彼らがバーベキューをしている3m向こうは、私が泊まる部屋だ。なんだか嫌な気分になりながら、彼らの真横を通り、部屋に入る。バスルームは、一度外に出ないと行けないので、諦めた。

もう眠ろう、と思ってベッドに入るが――超うるさい。めっちゃ明るい。そりゃあそうだ、すりガラスの扉1枚を隔てて、そこではパーティーが繰り広げられているのだから。

それでも、やっと眠りについた――と思ったら。

深夜1:00、誰かが部屋に入ってくる音で目が覚める。どうやら、あのバーベキューに参加していた女性の1人だ。ゲストの部屋、使うのかよ。まあ、オーナーの好きにすればいいけど……。

次に目が覚めたのは、朝5:00。すぐに異変に気付いた。

部屋中、めっちゃ酒くさい!!!!!

部屋を見渡すと、イビキをかきながら眠るあの女性しかいない。つまり、どう考えても彼女の口臭だ。

部屋には扇風機はあるが、1面しか窓(というか扉)がないので、換気不可。もう最悪。無理。

眠れなくなった私は、数十秒悩んで、決断した。そして、スマホを開いた。

「感覚は欺かない」

朝5時半、別の宿のブッキングが完了。

本当はここで4泊するつもりだったし、規約上、返金してもらうことはできないので、もったいないことはわかっている。

ただ、私の"感覚"が、私に訴えかけている。このゲストハウスは、あのオーナーは、やばい。

「感覚は欺かない」とは、ゲーテの格言だ。これは、私の信念でもある。ああだこうだ考えるよりも、結局、自分の感覚が正しいのだ。いや、正解・不正解なんてないんだから、後悔しないためにも、自分の感覚に従って前進するべきなのだ。

ひとり旅は、そんな意思決定のプロセスのトレーニングなのだと思う。

次のホステルは、風情はないけれど、新しくてすごく綺麗で、評価もいい。一番魅力的なのは、繁華街の徒歩圏にあること。最終バスの時間を気にすることなく、夜の街を彷徨うことができる。

私は夜が好きだ。

吉本ばななの小説「白河夜船」に、

夜が好きだ。好きでたまらない。夜の中ではなにもかもが可能になるように思えて、私はちっとも眠くならない。

という表現が出てくるが、まさにこんな感じ。

高校生のときも、毎日2~4時まで起きていて、代わりに学校ではずっと寝ていた。先生には、怒られるよりも呆れられて、職員室で「なんでおまえはそんなに寝るんだ?」と純粋な疑問を投げかけられたこともあった。

夜の中では何もかも可能だったけれど、昼の中では何もかも不可能だったから、日中の世界は、嫌いだった。

夜が明けたら、荷物をまとめよう。次のホステルのレセプションが開く時間に合わせて、ここを出よう。

次の場所では、大邱の夜と、もう少し仲良くなれるかも。

おまけ:今日のシートマスク

本日、騒音にイライラしながら試したシートマスクはこちら。

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韓国の国民的シェーデングを発売する「too cool for school」の「ココナッツ セラミド マスク」(₩3,000)。路面店で購入。

ココナッツ・ウォーターを30%配合しており、乾燥肌の方はぜひ!といった感じの保湿力の高いシートマスク。あと、セラミドには肌の鎮静効果があるのだとか。

使用感は、悪くはないが、とくべつ良いわけでもない。ナチュラルな成分を謳っている商品なのだが、それ自体が売りになっていて、効果はわかりづらいかも。

次回へ続く。