偽造カード以外にも気をつけよう。未開封BOXの偽物編

まずはじめに:この記事はウィザーズ・オブ・ザ・コーストのファンコンテンツ・ポリシーに則り作成されています。そのため、全文無料公開ですが、記事を購入し、寄付していただければやる気が上がります。犯罪を助長させないために書いているため広く知られているであろう一般的な手段は載せますが詳しい方法や現在見破る物が難しいと思われる方法については書きませんが他にもあります。

作成のきっかけ

きっかけは、以下の2つの記事と海外掲示板で賑わっていたリシュリンク疑惑。1つ目は「YouTuberが約4億円で購入したポケモンカードが偽物だったことが明らかに」で、ポケモンカードゲームの未開封ボックスが偽造品であったこと。
もう一つは、「デュエマ海外版の偽物?製造国は?色々な「見分け方」を徹底検証!」こちらは、デュエル・マスターズでもパックと中身が偽物であったという記事。
そして、少し前に海外Amazonで『時のらせんリマスター』がリシュリンクされているのでは、という疑惑があっため。

リシュリンクの基本的な手口

リシュリンクは、個人でも再現可能。最近のほとんどのマジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)の製品は、シュリンクに企業の商標ロゴが入っているが一部の製品には入っていない。そのため、ロゴの入っていないシュリンクで梱包された『灯争大戦』のプレスリリースキットは、プレスリリース版ではあるものの、絵違い版《戦慄衆の将軍、リリアナ》(2022/4/29日現在36万円ほど)が出るため、開封し中身を確認し、リシュリンクし再販という手口が簡単できた。
本物のサンプルは以下(2個入手、イコリア・M21・テーロス還魂記プレリも同じ感じだったが、ストリクスヘイヴンと以降はもうすこし大雑把で繋ぎ目の一部が上部分にくる個体も確認。)

『灯争大戦』のプレスリリースキット上部(ほんもの)
『灯争大戦』のプレスリリースキット下部(ほんもの)

特徴としては、シュリンクがしっかりと過不足算なく包まれており、側面のシュリンクの跡の末端は下まではいかない。そして、上部のシュリンクはやや円を描くようになっている。特徴的なのは上部と側面の繋がり部分がやや斜めになっている点。(違うものもあるかもしれない。)

こちらがメルカリで販売済みだった、かなり怪しい商品。

『灯争大戦』のプレスリリースキット(高い確率でリシュリンク)

下部にシュリンクする際にできる跡が残っている。また複数大きな穴が空いており、側面も片側は跡なし片側は跡あり(汚い)なので、高い確率でリシュリンクされている。

方法は簡単かつ単純だが、場合にもよっては店舗も買い取ってしまう可能性もあるようだった。

『灯争大戦』のプレスリリースキット(リシュリンクの可能性)

こちらは、シュリンクがかなり強くされているため左のプレスリリースキットは右と比べてシワが非常に多い。また、下部を見るとリシュリンクの跡が底部分まで来てしまったおり、かなり怪しい。引用リツイートで警告したものの対応も削除もなかった(2022/4/29現在)ので、店としては本物として扱われているようだった。真相は闇の中。

ロゴ付きシュリンクされた未開封BOXは安心なのか?

答えは、NO。海外で『時のらせんリマスター』のリシュリンクが話題になったように、シュリンクされた未開封ボックスも安心できない状況になってしまった。本題に入る前に予備知識としてシュリンクにも種類があることを学ぼう。

シュリンクロゴは私の知る限りでは大きく別けて3種類ある。(あんまり未開封ボックス持っていないのでもっとあるかもしれない。)

初期のWizardsのシュリンクロゴ

アルファなど最初期のBOXなどにはロゴはなかった気がする。どのエキスパンションからこのロゴなのかは知らないし、調べる元気もない。

ちょっと前までのWizardsのシュリンクロゴ

かなり長い間使われてきた気がする(直感)。『神河:輝ける世界』からは組織再編成に伴い次の新しいロゴに変わる。

最新のWizardsのシュリンクロゴ

最新のロゴちょっとスタイリッシュ。組織再編成頑張って!

『時のらせんリマスター』でリシュリンクはどのように行われたのか。

ここからが本題。まずは予備知識が少し必要なので、パックについての知識から、特にFoilはコレクション性が高く、Non-Foilの数倍から数十倍の価格になる。そして、FoilとNon-Foilの入ったパックは見分けることができる。なので、特にFoilの価値が高いパックは狙われやすい。そのため、『時のらせんリマスター』が狙われた。(参考価格としては、日本語ボーナスシート《思考囲い》No-Foil:4000円に対して、Foil:7万円)
最近は少し対策されておりセットブースターは全てにFoil仕様のカードが入っているため悪さしにくくなっている。

『時のらせんリマスター』が狙われた理由にはAmazonの在庫管理システムの問題との指摘がある。Amazonは返品を受け入れやすい、そして同様の商品であれば在庫を一元管理している。そのため、以下の方法が可能。

これを無限に繰り返すと、1つのパック代金だけで、高確率で高額なFoilカードが手に入る。そして、Amazonの在庫には大量のFoilの入っていないBOXが新品在庫として残り、AmazonでBOXを購入した人に届けられる自体となってしまった。悲痛な叫びは以下から見れます。※現在はある程度Amazon側で対策されている。

この方法は、Amazonを利用しなくてもパック単体でサーチしたものを売ったり、BOXをリシュリンクしたものをフリーマーケットで売ることで再現可能となっている点は要注意。特に第7版などのFoilの価値が高いパックやBOXは可能な限り信頼できるお店で買おう。

昔の未開封BOXは大丈夫?

についてはある程度大丈夫。だが全面的に安心するべきではない。というのも最近ではロゴ入りの偽のシュリンクが売られている。

偽造シュリンクの販売

上のようなシュリンクは一見危険そうにも見えるが、古いBOXに長期間付いたままのシュリンクはシュリンク自体の劣化が必ずあったり、シュリンクの付き方自体も独特な物が多いので簡単に判別可能。

シュリンクの劣化

最後に

最近のブースターは対策がされていたり、ドラフトブースターから出るFoilはコレクターブースターによって価値が極端に下がったためわざわざサーチする必要もないが、例えば、セットブースターについている大きめのシュリンクを利用し、コレクターブースターなんかをリシュリンクできる点には要注意。コレクターブースターを開けたら中身が全部ドラフトブースターだったり、他の安いコレクターブースターのパックだったり、古い未開封BOXを開けたら全部新しめの安いドラフトブースターだった。みたいなことがこれから起こるかも知れないが、これは全ての未開封BOXに対して言える。気をつけよう。

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