35 コロナ世代の教師たちへ〜「学びを止めるな」は話題になるけれど、それ以外の豊かさはあまり話題になっていないのでは?
僕も少しだけ書くチャンスをいただきました。
コロナ世代の教師たちに向けて「学級開き」を考えるための書籍の書評欄を書きました。前号に続き、4人で鼎談したことをもとにまとめる形式をとっていることも注目です。
紙幅は限られていましたが、自分の思いをちゃんと綴ることができたことには少し満足しています。
僕の思いをざっくり言うと……
「学びを止めるな」は話題になるけれど、それ以外の豊かさはあまり話題になっていないのでは?です。
小学校の先生には、僕の思いはあまり伝わりませんでした。でも、それはちゃんとやっているということだと思うんですよね、小学校では。中学校教員は僕だけだったから、中学校教員には共感してもらえるかどうか意見をぜひ聞いてみたいです。
現在、学校は非日常と我慢を強いています。
・給食は全員前を向いたまま黙食
・声を出して歌わない
・身体をくっつけない など
「感染リスクを抑えるため」が理由だからなのか、講義型の授業ばかりなったとしても、以前よりも子どもたちは不満を漏らさなくなったように感じています。昨年度の4月コロナで理事休校になり、それが明けて間もない頃は学校はまさに臨界体制で、原則ペアやグループ活動は行うことができませんでした。その頃の授業中の子どもたちの様子を思い返すと、ちゃんと講義型の授業に対する息苦しさを態度で示していました。けれど、今年度はそれがなくなりました。
僕はこのことにすごく違和感を抱いています。でも、その違和感を持っているのは僕だけ?とも感じています
僕が紹介した書籍は、石川晋さんのこの書籍。
部活動の指導者になりたくて教員になった人は「人間関係の大切さを学んだ」「努力することの素晴らしさを学んだ」「素晴らしい指導者に出会えた」などの経験をしている。石川晋さんは、部活動で学んだことの大半はクラスや授業の中でこそ感得すべきことではないか、と書籍の中で述べている。この一言に、出会ってほしくて「コロナ世代の教員に紹介したい × 学級開きを考える」本として書評欄で紹介した。
ビフォアコロナの頃でさえ、取り組み時数の縮小と行事が一過性のイベントとして消費されるようになり、教室の人間関係の深まりにつながりにくくなっている。そして、ウィズコロナになり、例年通りに行事ができなくなり、さらに行事が機能していないことを考えると、これまで以上に行事に寄りかからない学級づくり(仲間づくり)に、僕たちは本腰を入れて取り組んでいく必要があるのではないだろうか。
マスクをして自分と他の人とのあいだに境界線が存在してしまう。コロナ禍で異動してきた先生、転校してきた子どもは例年以上に大変だっただろうな。「しょがない」が蔓延しているけれど、学校がちゃんと学校であり続けることを、僕は諦めたくない。